2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02214
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
森口 卓哉 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所・栽培・流通利用研究領域, 上席研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAI Songling 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所栽培・流通利用研究領域, 外国人特別研究員
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Keywords | リンゴ / 着色 / MYB転写因子 / 紫外線シグナル |
Research Abstract |
今回単離したMdCOL11もUV-Bにより転写が活性化されること、その発現パターンは、圃場の「ふじ」果実の果皮と室内のUV-B処理した「ふじ」果実の果皮の両方で、MdMYB1-1の発現パターンと同じであることが明らかとなった。さらにルシフェラーゼを用いた一過的なプロモーターアッセイにより、MdCOL11は直接的にMdMYB1-1の転写を活性化させていることが分かった。現在、アラビドプシスのB-box 22変異体のMdCOL11の過剰発現による補填実験とリンゴのカルスへのMdCOL11の導入を行い、アントシアニン集積へのMdCOL11の機能を調査しているところである。 MdCOL11とMYBIの発現解析を黄色品種である「王林」で行ったところ、MdMYBIの発現は成熟期に高まらなかったが、MdCOL11の発現は高くなった。果実に人工的にUV-Bを照射すると、48時間の照射で果皮が赤くなり、MdMYB1の転写産物が検出された。このことはUV-B照射によるシグナル伝達系が黄色品種でも働いていることを示している。 青、黄、赤色はMdMYB1のプロモーター領域の配列の違いに起因するか明らかにするため、この領域を比較すると、HY5やBBX22が作用するG-boxと呼ばれるシス配列にSNPが見つかった。MdMYB1-1のG-box配列は、CACGTG(Gタイプ)で、MdMYB1-2/MdMYB1-3ではCACATG(Aタイプ)/CACTTG(Tタイプ)であった。このSNPに基づいてCAPSマーカーを構築したところ、赤色品種(すなわちMdMYB1-1のGタイプ)のみを選抜できることが示された。さらにルシフェラーゼを用いた一過的なプロモーターアッセイにより、MdCOL11とMdHY5のMdMYB1-1/MdMYB1-2/MdMYB1-3のプロモーター領域への結合能力の違いについて比較した結果、MdCOL11はGタイプ(MdMYB1-1)に最も強く作用した。結合能力の差異については現在さらに詳細な解析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
G-box配列から着色のタイプを識別できることを示したことは大きな成果である。また、ルシフェラーゼを用いた一過的なプロモーターアッセイにより、着色タイプによりこの領域への結合能力に違いがあることを示せたことも極めて重要な成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
MdMYB1のプロモーター領域のエピジェネテックな制御について解析を進める。まずqAMP法によるMdMYB1のプロモーター領域の異なる部位でのシトシンのメチレーションについて解析したがメチルの状態はリンゴの果皮色の状態と対応していなかったので再度確認する。また、今後はヒストン修飾についてもクロマチン免疫沈降法により解析する。
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Research Products
(2 results)