2013 Fiscal Year Annual Research Report
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12F02214
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
森口 卓哉 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所栽培・流通利用研究領城, 上席研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAI Songling 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所栽培・流通利用研究領域, 外国人特別研究員
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Keywords | リンゴ / 着色 / MYB転写因子 / 紫外線シグナル |
Research Abstract |
「陸奥」のMYBは、着色機能を有さないとされるMYB1-2/1-2/1-3(三倍体)から構成されている。しかし、袋掛けにより機能を有さないMYBが転写されること、また、MYB1-2/1-3ともに、機能を有するMYB1-1とcDNAの配列がほとんど同じであることから、赤くなる原因の一つとして、MYBのエピジェネティックな修飾の可能性が考えられた。そこで、「陸奥」のMYBのプロモーター領域のメチル化について検討したが、袋掛けの前後で有意な際は認められなかった。続いて、MYBに関わるピストン修飾の可能性についても検討したが、転写促進に作用するピストンH3のリジン4番のトリメチル化やピストンH3のアセチル化、さらには転写抑制に作用するピストンH3のリジン27番のトリメチル化の状態についても有意な変化が認められなかった。 袋かけしたリンゴが赤くなるには低温よりもむしろ紫外線が有効であることが分かった。そこで、光シグナルに関わるElongated Hypocotyl 5 (HY5)の段階で差異があるのかをタンパク質レベルで検証した。その結果、袋掛けして除袋することで、HY5のタンパク質量が大きく増加することが確認できた。つまり、通常の栽培であればHY5のタンパク質量は、機能を有さないMYB1-2/1-3(転写誘導されにくいと考えている)の転写を誘導するには不十分であるが、袋掛け処理により一過的に増加したHY5タンパク質の量であれば、これらMYBの転写を誘導するには十分のため、本来なら機能を有さないMYB1-2/1-3の転写が誘導される結果、「陸奥」が赤く着色すると考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度報告したMdCOL11については論文を投稿している。また、陸奥が着色する理由についても想定される要因が明らかになりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
陸奥が着色する理由について、早急に論文として取りまとめて投稿する。
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Research Products
(2 results)