2012 Fiscal Year Annual Research Report
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12F02314
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
阿久津 聡 一橋大学, 大学院・国際企業戦略研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
O'CONNOR Alexander John 一橋大学, 大学院・国際企業戦略研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 創造性 / 素朴理論 / エンティティ / インクリメンタル / 承認 / シェア / 社会的拒絶 |
Research Abstract |
平成24年度後半の6ヵ月は、我々の研究コンセプトに関する文献レビュー・調査手法の検討を主に重ねてきた。創造性に関するエンティティな信念(ex.創造性は生まれ持ったものであり、人生を通して変化するものではない)と他の自己観とのコンビネーションに関わる我々のオリジナルなアイデアは、それが人々の意思決定に影響を与え、他人と協力行動をとることの促進性に影響を及ぼすと考えている。6か月間で、繰り返し調査したサンプルにおいては、日米の両方で(1)創造性においてエンティティな信念を持っている人々は、(2)自分自身を創造的だと考え、(3)創造性と言うのは自分達の社会においてレアなものだと信じていることが示された。そして、そういう人々は、自分達が創造的なアイデアを持っている際に他の人と協力しながら行動を取りたがらないということが有意に示されている。最近になって、これらのリンクに関して我々が予想したメカニズムの検証をスタートした。すなわち、(1)これらの人々は自分のアイデアを他人とシェアする場合、そのアイデアが自分で考えたものであるということに関して周囲から承認を得られなくなるのではないかと考えがちなのではないか、さらに(2)これらの人々は、アイデアを周囲とシェアする際に、そのアイデアが社会的に拒絶されるかも知れないということに恐れを感じやすいのではないか、そして(3)これらの人々は、他人と協力することは自分達のアイデアを改良するうえで効果的なやり方ではないと考えるのではないか、という点である。この3点において、最後の1つは統計的に最も有意な差が出るのではないかと考えている。しかしながら、残りの2つについても同様に統計的有意差があると予想される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
科研費の有効な活用及び共同研究者同士の密な打ち合わせを実施している為、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの調査結果を基に、引き続き日米両国での追加調査を実施していく。新しい調査サンプルから、これまでの検証結果の妥当性・信頼性の検証を行うと共に、我々が新しく追加した項目:「協力行動の有効性に関する信念」、「自分のアイデアであると周囲から承認されない可能性に対する恐怖心」、「社会的拒絶への恐怖心」も両国で調査し、その妥当性・信頼性を検証する。これらの最終的な相関調査の後、我々は、さらにコラボレーション行動との関係性を確立するために、エンティティ信念や前述した3つのメカニズムを操作した実験の実施を計画しています。
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