2013 Fiscal Year Annual Research Report
西南日本及び世界の他地域における深部低周波微動の高度モニタリング手法の開発
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12F02329
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小原 一成 東京大学, 地震研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHAO Tzu-kai 東京大学, 地震研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 深部低周波微動 / トリガリング / プレート境界 |
Outline of Annual Research Achievements |
深部低周波微動は、西南日本のプレート境界巨大地震震源域周縁部でスロースリップとともに発生する現象である。また、この活動域では、微動がしばしば大地震の表面波によってトリガーされる。このトリガー微動は、その背景に定常的微動活動やスロースリップの存在を示唆しており、その検出は重要である。そこで、環太平洋沿岸地域に着目し、2011年の東北地方太平洋沖地震によって生成された表面波によってトリガーされた微動の探索を行なった。その結果、これまで知られている西南日本やカスケード地方だけでなく、アラスカやアリューシャン列島でも微動が検出され、その結果は米国地震学会の査読誌に掲載された。また、微動の検出と震源決定精度を向上させることを目的として、米国で開発された微動検知システム(WECC)を西南日本の微動データに適応するためのパラメータ調整、システム改良を行ない、微動のカタログ作成を進めてきた。特に、四国西部で発生する定常的微動と九州中央部で新たに発見されたトリガー微動について、新しい手法によって決定精度が向上していることを確認し、日本地球惑星科学連合大会に手発表した。さらに、この手法を台湾におけるデータ解析に適用し、台湾で発生する微動の活動状況を把握するとともに、微動発生域付近で発生したマグニチュード6クラスの地震との関係を議論し、地震による応力変化によって微動がトリガーした可能性を指摘した。これらの結果は、日本地震学会や米国地球物理学連合において発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
深部低周波微動の解析システムの構築については、まだ本格稼働している状況ではないが、個別データを用いた検証が進められている。一方、全世界を対象としたトリガー微動の探索や、台湾における微動解析については着実に成果を挙げており、研究計画全体としては、順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
台湾における微動データ解析のため、台湾を訪問し現地の研究者と議論のうえ共同で進める予定であったが、相手側研究者の都合により延期し、26年度に実施するように計画を変更した。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Non-volcanic tremor characteristics in Taiwan and a case study of their stress interaction with local earthquakes2013
Author(s)
K. Chao, K. Obara and S. Nagai, N. Hirata, Hsin-Chieh Pu, Ya-ru Hsu, Zhigang Peng, Ya-Ju Hsu, Aaron Wech, Kuo-En Ching, Peih-Lin Leu, Tzay-Chyn Shin
Organizer
日本地震学会2013年度大会
Place of Presentation
神奈川県民ホール、産業貿易センター(神奈川県)
Year and Date
2013-10-07 – 2013-10-09
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