2013 Fiscal Year Annual Research Report
酸化グラフェンナノシート上で成長した貴金属ナノ粒子の電気化学的応用
Project/Area Number |
12F02335
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小山 宗孝 京都大学, 工学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHEN Xiaomei 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | グラフェンナノシート / 金属ナノ粒子 / 電極触媒反応 / 白金 / パラジウム / グラフェン酸化物 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度の検討に基づいて、特に酸化グラフェンの還元反応と金属イオンの還元反応を組み合わせた合金ナノ粒子―グラフェン複合材料の調製と応用について検討して多くの成果を挙げることができた。 具体的には、まず、昨年検討を開始した白金・パラジウム合金系では、ジメチルホルムアミドを還元剤兼構造規制剤として利用することによって、合金ナノキューブとグラフェンとの複合化が可能であることを見出した。このナノ複合材料をグラッシーカーボン電極の表面修飾に利用し、メタノールの電極触媒酸化反応に応用した結果、調製したナノキューブは、合金の球状ナノ粒子に比べて高い電極触媒特性を有することが明らかになった。 また、同じ白金・パラジウム合金ナノキューブーグラフェン複合材料を修飾した電極が、酵素を使用しないグルコースの電気化学検出についても非常に有効であることがわかった。 さらに、白金・パラジウム合金ナノ粒子グラフェン複合材料の新しい調製法としてエタノール共存下で加熱還元についても検討して、調製法や合金の金属比などによるエタノールの酸化挙動の違いも明らかにした。 これらの成果については、3報の原著論文として発表するとともに、国際学会においても外国人特別研究員自身が口頭で2度にわたり報告を行った。 現在、金・パラジウムなどの別の合金系での検討も進めているが、それらの材料に関する展開だけでなく、測定対象も、燃料電池などに有効なメタノール・エタノールの電解酸化反応から、電気化学分析的な重要な反応や、均一溶液中での触媒反応についても広く展開して研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究成果がすでに3報の原著論文としてまとまっており、進行中のものも2報あるために、当初の計画以上の進展と考える。また、研究内容的にも合金ナノ粒子の形状や種類、さらには対象反応系についても充分検討が進んでおり、当初計画以上と評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、任期の関係から7カ月という時間的な制約もあるがこれまで得られた成果を原著論文としてまとめるとともに、新しいナノ複合材料や応用についても検討を進めて、帰国後にも共同研究を継続できるようなテーマの展開・拡張を志向して研究を推進する。
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Research Products
(5 results)