2012 Fiscal Year Annual Research Report
鉄触媒CH官能基化によるα-アリールカルボン酸類の合成
Project/Area Number |
12F02338
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 正治 京都大学, 化学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ADAK Laksmikanta 京都大学, 化学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 有機合成 / 不斉合成 / クロスカップリング / 官能基選択的 / C-C結合生成反応 / 鉄触媒 |
Research Abstract |
遷移金属触媒を用いたカルボニル化合物のα位アリール化反応は,Naproxen,Flurbiprofen,Diclofenac,hdomethacill,Ketoprofen,Sulindac,Zomepiracといった様々な医農薬合成における鍵反応として知られる,触媒としてはパラジウムに代表される希少金属元素が高い活性を示すが,資源性や安全性に課題が残る.そこで,本研究では,無毒で安価な普遍金属である鉄を触媒とした,次世代のカルボニル化合物のα位アリール化反応の開発を目指す.具体的には,予備的検討により見出した,αハロカルボニル化合物とアリール金属化合物との鉄触媒クロスカップリング反応を精査し,基質一般性の確立と不斉反応への展開を計る.次いで,カルボニル化合物のα位水素を直接アリール基へと変換するひH官能基化反応を開発する.野備的検討により見出した,α-ハロカルボニル化合物とアリールグリニャール反応剤との鉄触媒クロスカップリング反応を精査し基質一般性を確立する。本年度は,アリール亜鉛,アリールホウ素反応剤といった官能基共存性に優れた求核剤を用いて,くドハロケトン,エステル,アミドといった広範なα-ハロカルボニル化合物のアリール化反応の開発を行うと同時に,同反応に有効な不斉配位子の探索を行った。当初,配位子スクリーニングが難航したために,これまでに有効性が確認されている塩化鉄(II)ビスボスフィン錯体を用いたジアステレオ選択的なクロスカップリング反応の検討を行った。その結果,アセチル保護をしたハロゲン化糖を基質に用い,Grignard反応剤から調製したアリール亜鉛反応剤を鉄ビスホスフィン錯体存在下で反応させることで高ジアステレオ選択的なクロスカップリング反応が進行する例を幾つか発見することが出来た。また,同時に進めていた不斉配位子スクリーニングにおいては,オルトフェニレン架橋のキレートボスフィン配位子が,αプロモプロビオン酸誘導体とアリールGrignard反応剤とのクロスカップリング反応において有意な不斉誘起能を有することが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた不斉クロスカップリング反応の開発が難航したため,モデル反応としてジアステレオ選択的なクロスカップリング反応の検討を中心に進めた。結果として,新規のC-グリコシド合成反応の開発に成功し,現在同成果について論文発表準備中である。また,並行して進めていた,不斉クロスカップリング反応についても,60-70%ee程度の不斉を誘起できる配位子を発見することが出来たため,H25年度は,本検討を中心に進める事ができる状況である。よって,研究の目的の達成に向かって概ね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
医薬品合成の分野においては,>95%ee以上の光学純度で目的生成物を供給する合成手法が求められる。本反応に関して,このような高度な選択性を実現する為に,配位子の構造修飾と基質であるαプロモプロピオン酸誘導体の構造修飾を計画している。
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