2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02339
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
山本 尚 中部大学, 総合工学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAIDYAMD Mahiuddin 中部大学, 総合工学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 二酸化マンガン / N-ニトロソ・アルドール合成 / マグネシウム水和物 / 不斉合成 |
Research Abstract |
平成24年度から研究開始以来、本研究は非常に大きな進展があった。反応条件の詳細な検討により、所期の目的である系内で二酸化マンガンによるニトロソ化合物の発生と、生成したニトロソ化合物を用いる不斉 N・ニトロソ・アルドール合成に一部成功した。とくに、ベータ・ケト・チオエステルを基質に用い、マグネシウム触媒を用いることで、以前の銅触媒とは反応の位置選択性が完全に逆転することを見いだした。具体的には、マグネシウム・トリフラートを触媒にした場合、以前の銅触媒でほぼ100%のO-ニトロソ・アルドール反応が進行するのに対して、N-ニトロソ・アルドール反応が100%の選択率で進行する。さらに、マグネシウム水和物を用いても同等の選択性を示した。また、ニッケル触媒の場合にはO/N選択性はほぼ1:1にまで低下する。また、ブレンステッド酸触媒では収率、選択性共に、満足できる結果は得られなかった。最も良い結果を与えたマグネシウムイオンに対する様々な不斉配位子を検討したところ、フェニル・ボックス配位子を用いて、最適条件で不斉収率が65-75%になることを見いだした。一方、興味深いことに低温の反応条件は、不斉収率や反応収率が低下する。現在鋭意、より高い不斉合成の選択性を目指して様々な不斉配位子のスクリーニングを行っている。また、反応の位置選択性を左右する金属イオンの効果については計算を用いて詳細にメカニズムを説明することを試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初期の研究目的は順調に進展し、期間内に詳細な論文発表ができると考えている。その他にe-EROS,Synthesisの2誌にレビューを発表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はニトロソ・アルドール反応を力量ある合成反応に育て上げることであるが、一般的な反応と、不斉版、さらには分子内反応共に達成できると考えている。そのほかに、エン型反応やニトロソ・ディールス・アルダー反応も一部達成できると考えている。一方、本反応を用いる生物活性天然物合成も計画中である。
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