2013 Fiscal Year Annual Research Report
ジチオレン化合物が生み出す過渡光電流を利用した次世代有機光電流変換デバイス
Project/Area Number |
12F02343
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿波賀 邦夫 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DALGREISH Simon 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 有機エレクトロニクス / 有機半導体 / 有機トランジスタ |
Research Abstract |
これまでの研究により、[電極1|電荷分離層|絶縁分極層|電極2]を組み合わせた有機光学セルにより、可視光や近赤外を照射することによって巨大光過渡電流の生成に成功している。絶縁分極層としてイオン液体などの電解質を用いた場合、界面電気二重層の形成による巨大電場によって電荷分離が促進される成果を得ている。そこで本研究では、系の誘電特性と電荷分離、さらには過渡光電流との相関を明らかにするため、有機強誘電体の光電変換に対する効果を調べた。[電極|電荷分離層|有機強誘電体|電荷分離層|電極]として[Al|CuPc|P(VDF-TrFE)|CuPc|Al]なる左右対称の構造をもつ光電セルをつくり、有機強誘電体の電気双極子のみがつくる電場に起因する光電変換特性を調べたところ、20V以上を印加するによって強誘電層を分極させることができることが分かった。ここには10MV/mにも達する巨大電場が予想される。当然ながらこのCuPc層での電荷分離を促進するはずで、分極の向きを変えながら、光照射を行ったところ、分極の方向によって反転する、大きな過渡光電流の方向が異なることが分かる。分極電場から得られる電流は、分極後6~7時間見ることができた。過渡光電流のピーク値から、光応答度として0.1mA/Wを見積もることができる。強誘電体に蓄積された電場に基づく光電流変換について、新機軸を打ち出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は、有機強誘電体を用いた光電流変換に成功するという、目覚まし成果を上げた。著名雑誌に掲載が決定した。
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Strategy for Future Research Activity |
光電流変換の高速化に挑戦し、GHz域を目指す。
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Research Products
(6 results)