2013 Fiscal Year Annual Research Report
新陳代謝機能を有する光触媒機能界面の開発と高効率環境浄化
Project/Area Number |
12F02345
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
藤嶋 昭 東京理科大学, 学長室, 学長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIU Shanhu 東京理科大学, 総合研究機構・光触媒国際研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | チタニア / モノリス / 多孔体 / 光触媒 / 新陳代謝 / 環境浄化 |
Research Abstract |
本研究では、光触媒の高効率化のために、光触媒のもつ酸化分解力と超親水性に加えてモノリス構造がもつ新陳代謝機能を付与し、実用性に富んだ高効率環境浄化材料(空気浄化、セルフクリーニング)を開発することを目的とする。本年度は下記について明らかにした。 1. 可視光に透明な、酸化チタン微粒子を含むモノリス多孔体の作製方法を確立した。また、透明チタニアモノリス多孔体はチタンイソプロポキシドや塩酸などの量比、熱処理時の温度などを変えることにより、連続的に多孔体の空孔サイズが変化することを明らかにした。 2. モノリス多孔体作製時の初期に形成されるスキン層を除去する方法を確立した。具体的には、ダイヤモンド研磨紙を用いて表面研磨機によるモノリス多孔体の表面研磨を行った。その際、ダイヤモンド研磨紙の種類(ダイヤモンドのサイズ、粗さ)や表面研磨時間、表面研磨スピードの最適化を行った。上記表面研磨を行うことによりスキン層が除去でき、モノリス構造の露出を電界放出型電子顕微鏡によって確認することができた。 3. 上記で作製したモノリス多孔体が連続貫通孔を有しているかどうかを確認する実験を行った。具体的には、色素を溶解した溶液をモノリス多孔体に滴下し、所定時間放置の後にモノリス多孔体表面の色素溶液を拭きとった際、モノリス多孔体を貫通して裏面に移動した色素溶液が残るかどうかを評価した。その結果、裏面のみ色素溶液が残る結果となり、モノリス多孔体が連続貫通孔を有していることが推測された。本評価法はそれ自体が連続貫通孔の確認を行う新しい方法論となりうる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、新陳代謝機能を有するモノリス多孔体を作製することにとどまっていた。しかし、現在の研究では、それに可視光に対する透明性(透過性)が付与することができた。すなわち、新陳代謝機能を有する透明モノリス多孔体が得られ、これは応用・実用を視野に入れた際により有利となる。したがって、当初の警戒区以上に研究が進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は作製した透明モノリス多孔体の実用化の検討に入る。具体的には耐候試験機を用いて長期間の耐久性や新陳代謝機能の有効性などを評価する予定である。
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Research Products
(1 results)