2013 Fiscal Year Annual Research Report
高度収縮能を有する骨格筋培養系の構築とバイオアッセイ
Project/Area Number |
12F02353
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西澤 松彦 東北大学, 大学院工学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KARIKKINETH Btjoy Chandapillai 東北大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 細胞アッセイ / 筋細胞 / 電気刺激 |
Research Abstract |
当研究室では、フィブリンゲルを培養基板とする骨格筋細胞培養法を確立している。本研究では、培養シャーレを用いた従来の2次元培養法と比較し、フィブリン培養系における骨格筋の分化促進、筋力向上効果をタンパク質発現レベルで調査することを当該年度の目的とした。目標達成に向けて以下の実験を行い、成果を得た。 1, フィブリンゲル培養骨格筋細胞からのタンパク質抽出法の確立 ウエスタンブロットによる筋分化マーカータンパク質(αサルコメリックアクチニン、ミオシン重鎖など)の発現量評価を実施したが、定量性が低かった。原因は、タンパク質であるフィブリンの抽出サンプルへのコンタミによるバックグラウンドシグナルの増加であった。本年度は、細胞破砕、精製工程を独自に最適化することでフィブリン由来のタンパク質の混在を減らすことに成功した。 2, 2.5次元培養系の確立 昨年度までの骨格筋は、平板ゲル表面に2次元培養されたものであった。その細胞表面をさらにゲル薄膜で覆うことで2.5次元様培養系の構築を本年度実施し、更なる分化促進、筋力向上を目指した。被覆ゲルの薄層化は、(1)で記載したように、後のウエスタンブロットへのコンタミの影響を低減するためである。フィブリン薄膜をあらかじめシャーレで作製し、それを筋細胞培養ゲル表面に転写(接着)するというゲル特性を生かした手法で本培養系を確立した。今後、性, の手法で本培養系の効果を評価する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、培養骨格筋細胞の筋力向上とそのメカニズム解明に向け、本年度はタンパク質発現評価法の確立と高次培養系の構築を達成した。これらは本研究の目的実現に必須の基盤技術であり、それを本年度確立できたことは今後の研究伸展に大きく寄与する。以上より本研究の進捗は、おおむね順調と言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度確立したタンパク質発現評価法により、筋力向上に対するフィブリン培養系の影響を定量的に評価する。これにより培養基板に依存した筋力向上メカニズムの解明を目指す。また、筋収縮運動のみならず、いわゆるストレッチ運動の筋力向上への影響も合わせて評価するため、柔軟かつ伸展可能なハイドロゲル培養基板の構築とその影響評価にもトライする。
|