2013 Fiscal Year Annual Research Report
テンプレート法によるナノ界面制御を用いたCNT複合材料の高機能化と展開応用
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12F02358
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋田 俊之 東北大学, 大学院工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Weili 東北大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 機械材料・材料力学 / カーボンナノチューブ / 複合材料 / セラミックス / テンプレート法 / 機械的特性 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブ(MWCNT)/アルミナ複合材料の機械的ならびに摩擦・摩耗特性の向上を図ることを主目的として、複合材料の特性向上に重要な設計要素であるMWCNTの高充填化ならびにMWCNTとアルミナ母材との界面強度の定量評価に関する検討を行った。以下に研究目的を達成するために設定した各研究課題における成果の概要を記載する。 研究1, テンプレート法による界面構造・特性制御とin situ評価 : MWCNT-アルミナ間の界面強度を実験的かつ定量的に評価するための手法として、フォーカスイオンビーム加工と走査型電子顕微鏡(SEM)観察下におけるマニピュレーション技術を用いたMWCNTの引抜試験を組合せた試験法である「埋込長さ傾斜制御型引抜試験法」を構築することで、世界で初めてMWCNTとアルミナ母材との界面強度の定量評価に成功した。その結果、MWCNTとアルミナ母材との間には高い界面強度が存在しており、複合材料の特性向上に必須なMWCNTの引抜け挙動の発現が制限されていることを明らかにした。複合材料のさらなる破壊特性の向上のためには, MWCNT-アルミナ間の界面強度を適切な値まで低減させ、MWCNT-アルミナ間における界面剥離ならびにMWCNTの引抜けによる高靭化効果を増大させることが有効であることを示すものである。 研究2, 力学的ならびに摩擦・摩耗特性評価 : 複合材料の高機能化さらには展開応用を図るためには、複合材料の破壊特性の低下を誘起するMWCNT凝集体を発生させることなく複合材料中にMWCNTを高充填する必要がある。MWCNTに酸を用いた表面処理を行うことでアルミナ粉末との電気的反発効果を活用したフロキュレーション法を複合材料の作製に用いることで、破壊特性を低下させることなくMWCNTを10vol.%配合した複合材料を作製することに成功した。作製した複合材料の摩擦特性は0.2程度であり、当該複合材料の摺動材料への応用の可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究実施計画に対して、項目9の「研究実績の概要」で記載した成果を挙げることができでいる。加えて、上述した研究成果の一部を雑誌論文ならびに学会発表などで公表しつつあることから、おおむね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究を遂行する上で特に大きな問題点は無い。当該研究分担者は、研究室内の若手研究者および他研究チーム間との有機的な連携も図っており、かつ着実に研究を推進できている。したがって、研究計画を変更することなく、申請書に記載した3つのプロジェクトを研究スケジュールに沿って遂行をしていく予定である。
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Research Products
(6 results)