2013 Fiscal Year Annual Research Report
有機皮膜剤を用いた酸化亜鉛ナノ結晶合成と高効率色素増感太陽電池作製
Project/Area Number |
12F02363
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
早川 泰弘 静岡大学, 電子工学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MANI Navaneethan 静岡大学, 電子工学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 色素増感太陽電池 / 酸化亜鉛 / 酸化チタン / ナノ結晶 / 有機被膜剤 / ヘキサメチレンテトラアミン / メゾポーラス |
Research Abstract |
本研究は、低価格、高効率な色素増感太陽電池を作製するために、(1)化学溶液法と水熱合成法による酸化亜鉛ナノ粒子合成時に溶液に有機被膜剤を添加し、ナノ結晶の形状、サイズ、構造、吸収光特性、発光特性、電子状態等に及ぼす効果を明らかにする、(2)酸化亜鉛ナノ結晶を用いて光半導体電極の階層構造を形成し、光電変換効率に及ぼす効果を調べる、(3)酸化亜鉛の高電子移動度と酸化チタンの色素耐性の長所を合わせもつナノ結晶形成条件を明らかにし、(4)色素増感太陽電池の光電変換効率の向上を図ることを目的としている。酸化亜鉛ナノ結晶合成に関しては、0.2M酢酸亜鉛と0.2Mの水酸化ナトリウムを50mLのイオン水に溶解させた後、0.05Mのトライエチルアミンを添加し、室温で10時間反応させた。その後オートクレーブ中で200℃で熱処理した。熱処理時間を15、25、40、48時間と変え、酸化亜鉛ナノ結晶の形成過程を観察した。その結果、有機被膜剤としてトライエチルアミンを用いることで粒子の凝縮とサイズを抑制できた。粒径は8-10nであった。熱処理時間を15、25、40、48時間と変えた結果、1次元ナノロッド構造から3次元ナノフラワー構造へ変化することがわかった。この現象を説明するために特定の面への付着結晶成長モデルを提案した。色素増感太陽電池の変換効率2.72%が得られた。酸化チタンナノ結晶合成に関しては、水熱合成法によりメゾポーラスでアナターゼ構造の酸化チタンナノ結晶合成に成功した。25時間合成により高い表面積188㎡/gを有しメゾポーラスで結晶性の良い球状TiO_2ナノ結晶を合成できた。色素増感太陽電池の光半導体電極厚さが16μmの場合、N719色素で7.02%、D205色素で6.98%の変換効率を得た。色素増感太陽雷池の効率向上に寄与する成果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トライエチルアミンを有機被膜剤として用いて酸化亜鉛ナノ結晶を合成し、これを光半導体電極として用いて色素増感太陽電池を作製した。有機被膜剤としてトライエチルアミンを用いることで酸化亜鉛粒子の凝縮とサイズを抑制できた。また、水熱合成法によりメゾポーラスでアナターゼ構造の酸化チタンナノ結晶合成に成功した。酸化亜鉛ナノ結晶に関する研究成果が、インパクトファクターの高い学術雑誌CrystEngComm (IF3.87)に採択され、酸化チタンナノ結晶に関する研究成果がJoumal of Power Sources (IF : 4.951)に採択されており、研究はおおむね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
問題点はない。今後、酸化亜鉛の高電子移動度と酸化チタンの色素耐性の長所を合わせもつナノ結晶形成条件を明らかにし、色素増感太陽電池の光電変換効率の向上を図ることを目指す。
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Research Products
(17 results)