2014 Fiscal Year Annual Research Report
高性能グラフェンFETに向けたゲートスタック技術の研究
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12F02364
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥海 明 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50323530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIU Wenjun 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | グラフェン / ラマン / 酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフェンの研究手法はいくつかあるが,本研究ではRaman分光法を用いることにした。ゲートスタック形成の研究として熱処理に着目し,各種雰囲気下で熱処理によるグラフェンへの影響に関して調べた。 酸素雰囲気におけるRamanピーク、特に欠陥生成に関係するDバンドピークの変化に関して温度変化を調べた。初期的にはDバンドはまったく観察されないが,酸素中熱処理とともにDバンドピークが明瞭に観察されるようになる。強度の変化の500℃程度まで温度依存性を測定して、アレニウスプロットしたところ,温度依存性には二種類の活性化型から構成されていることが示された。活性化エネルギーは、それぞれ約1.2eVと0.25eVの二種類が観測された。高温領域で1.2eV、低温側で0.25eVである。つまり300℃くらいから急激にDバンド強度が増してくる。一方、それ以下の温度におけるDバンド変化は大変小さい。この結果はグラフェンゲートスタック形成に関して高温熱処理する時には、このようなグラフェン中の欠陥形成に関して出発点に考えておく必要があることを示している。劣化の絶対値は構造によるが、活性化エネルギーは起きている現象の素過程を反映したものになっているはずであり、きわめて一般的に重要な指標になっている。特にこの場合は酸素とグラフェンの反応に関わっていることになり、高温側でのevのオーダーの活性化エネルギーは酸化反応が起きていることを示唆している。 一方、Ar雰囲気下で熱処理した場合には、高温側の活性化過程は観測されない。つまり熱処理では、酸化反応と熱的な効果、たとえばグラフェンと下地SiO2との相互作用の緩和過程や界面でのH2O成分の脱離やグラフェン自身の熱的な構造歪みなどの二点を中心に考える必要があることがわかった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)