2012 Fiscal Year Annual Research Report
次世代無線通信システムのための高精度圧縮チャネル推定
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12F02366
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安達 文幸 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GUAN Gui 東北大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 圧縮チャネル推定 / OFDM / 双方向協調リレー通信 / 適応スパースチャネル推定 / 正規化平均二乗 / MIMO / TWRN / 圧縮センシング |
Research Abstract |
広帯域無線通信では受信信号のスペクトルが歪み伝送特性が大幅に劣化するため、等化器の採用が必須である。等化器では高精度のチャネル推定が必要である。一般的には、信号帯域幅が広くなるにつれて、受信機アナログ-デジタル変換回路(ADC)の標本化速度を高くしなければならず、広帯域無線通信では高速レートのADCを必要とするため、実用的ではない。そこで、本年度は広帯域マルチパスチャネルが疎な構造を有していることに着目し、低速ADCを用いるOFDM伝送用圧縮チャネル推定を提案した。低速ADCの圧縮チャネル推定は、通信コストを削減することができるだけでなく、スペクトル効率を向上させることができる。提案チャネル推定では、実用的な低速レート畑Cを用いつつ高精度のチャネル推定が可能で、またスパースなチャネル構造を利用することにより高いスペクトル利用効率を得ることができるという特徴を有している。 最近では、伝搬損失による伝送特性の劣化を救済するため、ネットワーク符号化を用いる双方向協調リレーが注目されている。提案チャネル推定を双方向協調リレー通信へ適用するためには、推定したチャネル情報をどのように相手側に転送するかなど、実用的に重要な技術課題が残されている。そこでまず、双方向協調リレーにおけるスパースなマルチパスチャネルを対象に圧縮チャネル推定の研究を行なった。 無線通信システムの高速変動する特性を考慮して、我々は適応信号処理理論に基づくスパースマルチパスチャネル推定法を提案した。はじめに適応スパースチャネル推定と圧縮センシングの関係を明確にした。次に正規化平均二乗(NLMS)を使用して、従来の適応チャネル推定法に基づきzero-attracting NLMS(ZA-NLMS)、reweighted ZA-NLMS(RZA-NLMS)、LP-ノームNLMS法(LP-NLMS),LO-ノームNLMS(LO-NLMS)の4つの方式を提案し検証した。 以上、これらの研究成果を国内研究会や国際会議、国際ジャーナルで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,低速レートADCを用いる圧縮チャネル推定法および適応圧縮チャネル推定法を提案した。さらに私は適応スパースチャネル推定方法を提案し、低演算量であることも明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に提案した双方向中継ネットワーク(TWRN)用の圧縮チャネル推定を複数アンテナを用いるMIMO-TWRNへ拡張する検討を行う。行列理論と圧縮センシング理論を基に、周波数選択性MIMOチャネルにおける圧縮チャネル推定を提案する。このように適応スパースチャネル推定法をMIMOやTWRNに導入することで、スペクトラム効率を高め,演算量を低減することができると期待されている。
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