2012 Fiscal Year Annual Research Report
ナノポーラス複合セラミックフレームにおける空間電荷分極と骨伝導機能
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12F02377
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
柿本 健一 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DUBEY AshtoshKumar 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ハイドロキシアパタイト / スパークプラズマ焼結 / 傾斜機能材料 / 多孔質 / 骨類似材料 / 無鉛圧電セラミックス |
Research Abstract |
本研究は、「鉛を含まない圧電セラミックス」の新しい応用分野として骨疾患の治癒に有効作用する骨補修剤等の医用材料分野を切り拓くことを目的とする。すでに、セラミックス医用材料の実用例として「人工骨」があるものの、力学物性や生体親和性を改善して自然骨と融合を図る研究がほとんどで、セラミックスがもつ優れた電気特性に着目した研究はほとんど無い。そこで、生体骨と類似成分であるハイドロキシアパタイト(HA)、無鉛圧電体セラミックスおよび気孔部からなる複合材料フレームの合成法を確立し、その孔質部表面で期待される空間電荷による電気刺激が培養骨の成長促進に寄与するメカニズムを提案および実証する。 H24年度は気孔部を含むハイドロキシアパタイト(HA)とニオブ系無鉛圧電体からなる多孔体複合セラミックスを合成した。バインダーの可塑性、分散性、つぶれ性、さらに生原料の硬度調整など合成パラメータを最適化した後、スパークプラズマ焼結法を用いて多孔体複合セラミックスの合成に成功した。 特に、成型条件および焼成条件を詰めて、均質かな気孔分布をもつ多孔質構造を合成可能とし、その組成分布を傾斜組成化した。得られた試験片の微構造を電子顕微鏡評価し、さらに熱刺激電流(TSC)測定を行い、その昇温過程で得られた放出電荷密度のピーク分布から空間電荷量が最大化する作製条件を決定した。すなわち、本材料が再生培養骨用の担体(フレーム)に有効利用できる可能性を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すぐれた分極性能を示す強誘電/圧電材料が再生培養骨用の担体(フレーム)に有効利用できる可能性を見出すことを目的としており、初年度計画したモデル材料の合成について計画通り成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
完成した複合材料フレームの孔質部表面で期待される空間電荷による電気刺激が培養骨の成長促進に寄与するメカニズムを提案および実証していく。
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Research Products
(5 results)