2013 Fiscal Year Annual Research Report
TiとZrの酸化物からなるナノ構造体を用いた新規な色素増感型太陽電池の開発
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12F02378
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
松田 厚範 豊橋技術科学大学, 大学院工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LECLERE Darren J 豊橋技術科学大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 陽極酸化 / 色素増感太陽電池 / 金属酸化物 / ナノチューブ / 分岐型構造 / 印過電圧 / 溶解速度 / シミュレーション |
Research Abstract |
(1)実験体制の構築 シアン化物やフッ酸などの毒劇物や、120Vの高電圧まで印加できる電源を用いた、特殊な陽極酸化が実施できる装置・器具類の準備を行った。 (2)分岐型ナノチューブの形成と色素増感太陽電池性能の評価 昨年度までに分岐型チタニアナノチューブの形成に成功したが、今回、電解液の組成や印加電圧を陽極酸化処理の途中で系統的に変化させる過程を最適化したことで、分岐型酸化チタンナノチューブの構造をある程度制御することが可能となった。分岐前後のチューブ径やチューブ長さを変化させたものを作製し、光の拡散反射スペクトルを測定することで、分岐型ナノチューブ構造と光特性の相関を調査した。さらに、分岐型チタニアナノチューブを用いた色素増感太陽電池を作製し、分岐構造による電池性能への影響を調査したところ、詳細は未だ不明だが、光電変換効率が僅かに上昇した。この性能の向上は、単に光特性が変化したためなのか、それとも分岐構造の導入により生成すると考えられる格子欠陥が寄与しているのかが不明なため、現在メカニズムの解析を進めている。 (3)ナノチューブ形成のシミュレーション解析 Comsol社のMultiphysicsソフトウェアなどの有限要素法解析ソフトを用いて、陽極酸化によるナノチューブ形成・成長メカニズムの解析を進めている。これまでの結果から、特に、電圧印加時の電場の分布状態と、形成するナノチューブ構造に相関があると踏んで研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・ソフトウェアの導入、実験設備の整備が済み、実験・解析データが蓄積されている。 ・顕微鏡観察が多く行われ、ナノチューブ構造形成のシミュレーション解析が進められている
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Strategy for Future Research Activity |
今後、以下の項目について推進する。 ・有限要素法を用いたシミュレーションによる、ナノチューブ形成メカニズムの解明 ・分岐型チタニアナノチューブを用いたDSSCの構築と特性評価および改善 ・各種学会での発表と、学術論文の投稿による研究成果の公表 なお、本研究の進める上での問題点は特にない。
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Research Products
(8 results)