2012 Fiscal Year Annual Research Report
高効率ホール輸送層を備えた有機-無機ハイブリッド太陽電池の開発
Project/Area Number |
12F02379
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮内 雅浩 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SRINIVASAN Nagarajan 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | PDOT / 酸化チタン / 量子ドット / CdS / CdSe / 有機・無機ハイブリッド / 太陽電池 / ホール輸送層 |
Research Abstract |
導電性ポリマーを合成するための電気化学装置と反応系を設計した。この系を用い、ホール輸送層となる導電性ポリマー電解質(PEDOT)を重合法によって合成した。合成した導電性ポリマーの特性として、サイクリックボルタンメトリやインピーダンス測定による界面抵抗値を評価した。この結果、電気化学重合反応のサイクル数が5~15回の条件において良好なp型の導電特性を示した。今後はこのPEDOT層の側鎖にレドックス対をもつ分子を修飾し、量子ドット増感型太陽電池に適したポリマーを設計する。 光吸収層となる量子ドットを担持するための担体となるn型半導体電極の作製を試みた。先ずは多孔質のTiO2層を透明導電ガラス(FTO:フッ素ドープした酸化スズコートガラス)の上にスクリーン印刷で成膜した。このとき、ペーストに含まれる酸化チタンの粒径や膜厚を変化させて成膜した。得られたn型半導体が電子受容層として働くかどうかを確認するため、色素増感太陽電池でよく使われているルテニウム錯体からなる色素を担持し、前記ホール輸送層を電解質として太陽電池を作動させた。これらの検証から、最適な酸化チタンの粒径や膜厚を見出した。 更に、光吸収層となる量子ドットの合成も開始した。量子ドットとして、波長500nmまでを吸収するCdSと長波長側を吸収するCdSeを検討した。合成は化学溶液法を用いて前記n型半導体の多孔質電極表面に担持した。各種合成条件をコントロールすることで、量子ドットのサイズや結晶性を制御できることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
太陽電池の構成要素となるホール輸送層、n型酸化物多孔質電極、量子ドット等の合成が可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
・ホール輸送層:PEDOTの側鎖に、レドックス対を修飾させる。量子ドット増感型太陽電池に適したレドックス対を効率良く探索する必要がある。 ・n型半導体電極:酸化チタンをベースに構造を最適化する。太陽電池としての性能を高めるため、TiO2ナノロッドやナノチューブ構造も検討する。 ・量子ドット:太陽電池の性能が上がるよう、サイズや結晶性等の諸条件を最適化する。
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