2013 Fiscal Year Annual Research Report
高効率ホール輸送層を備えた有機―無機ハイブリッド太陽電池の開発
Project/Area Number |
12F02379
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮内 雅浩 東京工業大学, 大学院理工学研究科(工学系), 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SRINIVASAN Nagarajan 東京工業大学, 大学院理工学研究科(工学系), 外国人特別研究員
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Keywords | PEDOT / 量子ドット / 酸化チタン / 太陽電池 / 光触媒 / 人工光合成 / 多孔質 / 電極 |
Research Abstract |
量子ドットを光吸収相とした場合、ホール輸送層となるPEDOTを量子ドットの表面にコートすることにより、量子ドットの光電流や長期安定性が大幅に向上することを見出した。こうした基礎的な知見を基に、太陽電池と人工光合成デバイスの研究開発をおこなった。 太陽電池のデバイスについては、n型半導体の多孔質電極の表面にPbSやCdS量子ドットを担持し、更にその上にPEDOTホール輸送層をコーティングして作用極を作製した。こうして得られた作用極と白金対極を用い、電解液存在下で光電気化学的測定をおこなった。この結果、PEDOTをコートすることで大幅に光電流が増加し、数日間光照射を継続しても劣化が見られなかった。 上記電極を用いた人工光合成の開発、すなわち、水の分解による水素・酸素生成を目指したデバイス開発も開始した。上記の光電気化学実験とは異なり、水素生成サイトとなるカソード白金対極を作用極内に積層し、無バイアスで水素を生成するような新規電極構造を考案した。具体的には、FTOガラス/Pt薄膜/Tio2緻密膜/量子ドット担持TiO2多孔質膜/PEDOTの順に積層した薄膜部材を作製した。作製した電極に電解液存在下で可視光を照射したところ、無バイアス条件にも関わらず水素が生成することが明らかになった。また、PEDOTをコートすることで量子ドットの光溶解が抑制されることも見出した。今後、量子ドットの担持方法、電解液組成、多孔質n方半導体の構造等の条件を最適化することで、量子収率と吸収フォトン数を上げて人工光合成としての変換効率を高め、PEDOTのコート条件を最適化することで長期的耐久性の向上を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PEDOTコートによる量子ドットの電荷分離と耐久性向上を見出し、太陽電池と人工光合成としての有用性が確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
更なる性能向上のため、量子ドットのサイズ、PEDOTのコート条件、多孔質n型半導体電極の最適化等の諸条件を検討する。
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Research Products
(1 results)