2012 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造制御した可視光応答型光触媒の開発と太陽光エネルギーの有効利用
Project/Area Number |
12F02383
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 弘巳 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHENG Hefeng 大阪大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | メソポーラスシリカ / ゼオライト / 光触媒 / ナノ細孔 / 可視光 / 光エネルギー / ナノ粒子 / テンプレート |
Research Abstract |
ゼオライトやメソ多孔質シリカは、触媒、触媒担体、吸着材など,規則性ナノ空間を巧みに利用した新規機能の発現への期待が高く、多方面で研究されている。光化学反応場としても、反応に必要な波長の光(~200nm以上)を吸収することがなく、光化学的に不活性であるため、規定されたミクロ分子環境場を提供し光を透過する透明な分子反応容器(ホスト)としての役割を発揮する。本研究ではナノ構造制御した中空状多孔質材料に、金属ナノ粒子、光応答性金属錯体、並びに酵素等を導入し、可視光応答性光触媒の開発と太陽光エネルギーの有効利用を目指す。目的とする反応は、選択酸化反応、水中での有機汚染物質分解反応、あるいは水からの水素生成反応である。また本研究では、細孔構造を作る際の構造規制剤(界面活性剤)を様々変えることで、中空状粒子内部の環境反応場を精密に制御し、活性、選択性の飛躍的な向上を目指す。 平成24年度は、主に各種光触媒の調製を行った。具体的には異なる組成(シリカ、カーボン、TiO2)、異なる細孔構造(2D、3D)、細孔径の様々な中空状多孔質材料を創成した。多孔質材料の調製法としては、様々な有機テンプレートを利用した液相でのゾルゲル法を用いる。ここで重要なのは、触媒活性種となる金属ナノ粒子の導入法である。細孔構造よりも小さな分子の場合、反応中での溶出が懸念されるため、ここでは有機テンプレートと触媒活性種を同時に用いて中空構造を作成する自己組織化法により作成し、同時に細孔内の静電場や空間体積などの分子環境場も制御を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二酸化チタンとシリカの複合材料に、マイクロ・メソ細孔を階層的に有する新規光触媒の開発に成功し、光触媒能、高い拡散性を有するナノ触媒となることを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度に合成した触媒の性能を可視光照射下での各種有機物分解反応に応用し評価する。さらに色素や金属錯体との組み合わせ、あるいは酵素を導入することによる利用した更なる高活性触媒設計へと応用する。
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