2012 Fiscal Year Annual Research Report
メラノプシンを光受容体とする非視覚機能の多様化解析
Project/Area Number |
12F02391
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
七田 芳則 京都大学, 理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MATSUYAMAHOYOS Takesi 京都大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | メラノプシン / 光量感知 / ipRGC / Gq |
Research Abstract |
マウスメラノプシンの培養細胞での発現を改善するため、過去の文献よりマウスメラノプシンのフォールディングまたは安定性に関わると思われるアレスチンそしてカルネキシンをクローニングし、マウスメラノプシンと共発現しその効果を評価した。マウス・ニワトリ・ハエのアレスチン/カルネキシン遺伝子を試した結果、共発現することによってマウスメラノプシンの収量が最大で2~3割改善した。またマウスメラノプシンのリガンドであるレチナールの添加条件を検討した結果2~3割タンパク質の収量を改善した。従ってマウスメラノプシンの生成量を4割程度改善することに成功した。これによってより純度の高い精製、より詳細な解析が可能になった。またこれらの手法はこれまで発現が不可能だった他の生物種のメラノブシンの発現に有効であると思われる。 また膜環境でもマウスメラノプシンの分子特性を解析するため細胞上でGタンパク質活性化能を測定できるアッセイ系を確立した。このGタンパク質のアッセイはこれまでマウスメラノプシンを発現させていた細胞をそのまま用いることができ、つまり組換えタンパク質のGタンパク質活性化能が評価できる。したがって、膜条件で様々な変異体のGタンパク質活性化の特性が解析できるようになった。またこのアッセイ系を用いてマウスメラノプシンの光依存的な活性だけでなく、アゴニストが直接結合することによって起こる活性化も評価できるようになった。これによってこれまで混同されてたいたメラノプシンの光依存的な活性化とアゴニストを直接取り込むことによって起こる活性化を評価することができる。今後このアッセイを用いてマウスメラノプシンをはじめ、Gqと共役するオプシン類のGタンパク質活性化能の評価が可能となった。またこれまで分光やWBで発現量を評価していたが、この手法ではGタンパク質の活性化が増幅されるためGタンパク質の活性化によって少量の発現も感知できることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りメラノプシンの発現の収量を改善することが出来た。また新たに用いたGタンパク質のアッサイより詳細にマウスメラノプシンの活性を解析することが可能になった。またマウスメラノプシンの細胞での活性の評価は精製サンプルで問題視される界面活性剤の影響が無いため今後メラノプシンの研究を進める上で重要なツールとなる。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに用いたGタンパク質のアッセイを用いてマウスメラノプシンのGタンパク質活性化能を評価する。発現の改善手法を他のメラノプシンやアイソフォーム遺伝子に応用しメラノプシンの分子特性の多様性を解析。発現しない場合はマウスとのキメラを作製し発現を試みる。
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Research Products
(1 results)