2013 Fiscal Year Annual Research Report
メラノプシンを光受容体とする非視覚機能の多様化解析
Project/Area Number |
12F02391
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
七田 芳則 京都大学, 理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MATSUVAMA HOYOS Takesi 京都大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | メラノプシン / 光量感知 / ipRGC / Gq |
Research Abstract |
哺乳類メラノプシンの分子特性を解析するため、マウスメラノプシンのGタンパク質活性化能を解析した。新たに導入したGタンパク質アッサイ系により培養細胞でもリガンド依存的そして光依存的な測定に成功した。マウスメラノプシンの光応答特性からメラノプシンは3状態からなる平衡状態を持っていると考えられ、それぞれの状態の活性特性を解析した。また光照射によってそれぞれの状態がどう反応するのか、分光学的に得られた知見と比較しながら解析した。同時にマウスメラノプシン野生型のスプライスバリアントの活性特性も解析した。Gタンパク質活性化能に関してはイソフォーム間において差異が認められなかった。したがってこれらのイソフォームはGタンパク質との相互作用が異なるのではなく、これらのスプライスバリアントはシグナルの終止機構やインターナリゼーション等に違いがあると考えられる。また3状態の解析に関しては現在共同研究を進めている海外の研究者の電気生理学的な知見と一致する結果が得られた。この3状態平衡の光反応は従来の知見とは全く異なる新たなスキームであり今後その生理的意義、分子機能、そしてこの現象の多様性・一般性を調べることが新たな課題となった。またGタンパク質の応答特性より、メラノプシンのC末端に関する新たな知見も得られた。ヒトのメラノプシンの発現についても予備実験をはじめたがまだ詳細な解析には至っていないが、分光解析を行うのに十分な発現量を確保するキメラコンストラクトを確立することができた。またGタンパク質の応答特性に関しては野生型のヒトメラノプシンで予備実験に成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
海外の電気生理学の研究者によって、当初解析したマウスメラノプシンの3状態平衡の反応が生理的にも起こっていている可能性が示唆されている。この仮説を検証するためメラノプシンのGタンパク質活性化能を詳細に解析した結果、電気生理学的な知見と一致した。3状態平衡の光反応スキームは従来のオプシンの光反応とは異なりオプシン類の新たな機能分化を示している。メラノプシンの多様生の解析に関しては多少遅れているが、ヒトメラノプシンに関しては研究計画通りに充分な発現量を確保することの出来るキメラコンストラクトを得た。
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Strategy for Future Research Activity |
光反応解析より得られた3状態平衡のスキームが電気生学的な知見と一致するため生理的条件下で各状態を検出し、3状態の生理的意義を解析することが今後の新たな課題である。また当初の研究計画通り種々のメラノプシンを解析することによってメラノプシンの分子機構、多様性を調べる。
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Research Products
(3 results)