2013 Fiscal Year Annual Research Report
青果物輸出技術最適化のためのCFDシミュレーションモデルの開発
Project/Area Number |
12F02410
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
内野 敏剛 九州大学, 大学院農学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DUONG Van Hung 九州大学, 大学院農学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 数値流体力学 / 高湿貯蔵 / 蒸散 / 輸出促進 / シミュレーション / ナノミスト |
Research Abstract |
本研究は、日本産の青果物を船便で大量に輸出する際に大きなネックとなっている青果物に生息する害虫の殺虫と輸送中の品質変化の問題を解決することを目的とする。本研究ではとくに①カキ等の害虫であるフジコナカイガラムシ殺虫のための炭酸ガス処理、及び②船便による長時間輸送中の青果物の蒸散を抑制する高湿度コンテナ内温湿度分布予測、さらには③温度とガス環境を最適にする積荷の積載法(積み付け法)の三者を数値流体力学(Computational Fluid Dynamics、CFD)により解決することに焦点を当てている。 本年度はまず、ナノミスト発生機を有する貯蔵庫における温度と湿度の数値シミュレーションを行った。設定温湿度は5℃、90%とし、庫内の11点の温湿度を30秒間隔で測定した。また、冷凍機吹き出し口で法線方向と接線方向の風速を測定した。計算に用いた貯蔵庫壁面の熱通過率は0.51Wm<-2>K^<-i>、ミスト流量は1.36×10^<-2>kg m^<-3> s^<-1>とした。庫内風速の予測値は実測値に良く一致し、RMSEも小さかった。庫内温度は初期値の29℃から1.5時間で5℃に低下することが計算により見出された。ミスト吹き出し口と冷凍機吹き出し口での温度予測値は実測値と良く一致した。また、相対湿度は前述の両吹き出し口で低くなることが明らかとなった。 続いて、超音波加湿器を有する貯蔵庫中の温度分布予測を行った。庫内温度は7点で測定し、風速は冷凍機吹き出し口で測定した。貯蔵庫壁面の熱通過率はナノミストの場合と同じとした。温度分布予測値は実験値と良く一致し、CFDにより精度の良い庫内温度分布予測が可能であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は湿度と貯蔵中の青果物気孔開度との関係についての解明が進んだ。今年度は高湿度貯蔵庫内の温湿度分布のシミュレーションに着手し、上記概要のような結果を得た。炭酸ガス施用法についても貯蔵庫内風速分布のシミュレーションが可能となっており、研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ研究を遂行する上での大きな問題点はない。研究期間は残すところ5ヶ月を切っているので、今後は現在得られているデータを学術誌に投稿するとともに、まだ着手していない高湿度貯蔵庫内の青果物積み付け法の最適化のシミュレーションも行っていく所存である。
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Research Products
(5 results)