2014 Fiscal Year Annual Research Report
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12F02412
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
稲葉 俊夫 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (00137241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WIJEWARDANA Viskam 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 樹状細胞 / がん免疫治療 / 人工ベクター / 遺伝子導入 / トル様レセプターリガンド / pH感受性リポソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、樹状細胞(DC)の抗原提示能および免疫活性化能を高めるとともに癌組織内の微小環境を細胞性免疫の活性化に有利なものに改変し、併せてDCによる癌免疫治療の治療効果を向上することを目的とし、今年度においては、以下の成果を得た。 ①DCの抗原提示能および免疫活性化能の亢進:がん免疫の主体であるCD8+細胞傷害性T細胞(CTL)を活性化するには、DCの主要組織適合抗原(MHC)のクラスI分子上に抗原を提示する必要がある。本研究では、低pHによって融解するpH感受性ポリマーを含むリポソーム(pH感受性リポソーム)で抗原を内包し、エンドソーム内の低いpHによってリポソームとエンドソームの膜融合をおこさせ、エンドソームから細胞質への脱出効率を高め、それにより、HMCクラスI分子上への抗原提示効率を著しく高めることができた。さらにpH感受性リポソームにDC選択性トル様レセプターリガンド(TLR-L)を組み込みDCの抗原提示能と免疫活性化能を同時に高める新薬を開発した。抗原として卵白アルブミン(OVA)を新薬で内包し、これを作用させたDCによって、マウス体内に移植したOVAペプチドを提示する腫瘍株E.G7の増殖を抑制することに成功した。 ②サイトカイン遺伝子の導入による腫瘍微小環境の改変:マウスIFNγ遺伝子を人工ベクターによって同系マウス体内に移植し増殖させた腫瘍細胞株に導入した後、腫瘍抗原を提示させたDCを腫瘍内に注入して腫瘍の増殖に対する抑制効果を検討した。マウスIFNγ遺伝子を内包した人工ベクターを腫瘍内あるいは静脈内に投与したマウスでは、DC治療によってより効果的な腫瘍の増殖抑制が認められた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Effective enhancement of anti-tumor immune responses by transfection of IFNγ gene into tumor using a new type synthetic vector.2014
Author(s)
Wijesekera, D.P.H., Sugiura, K., Yuba, E., Ueda, K., Wijewardana, V., Kanegi, R., Nishimura, T., Ushigusa, T., Hatoya, S., Kono, K., Inaba, T.
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Journal Title
Vet. Immunol. Immunopathol.
Volume: 162
Pages: 59-64
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] マウス内臓腫瘍転移モデルにおける抗腫瘍免疫反応を増強した樹状細胞療法の治療効果の検討2014
Author(s)
太田敦子, 杉浦喜久弥, 赤澤 隆, Wijewardana,V., Wijesekera, D.P.H., 今本成樹, 鳩谷晋吾, 井上徳光, 稲葉俊夫
Organizer
第157回日本獣医学会学術集会
Place of Presentation
北海道大学(札幌市)
Year and Date
2014-09-09