2012 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアダイナミクスによる糖・脂質代謝調節機構の解明
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12F02426
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野村 政壽 九州大学, 大学病院, 講師
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Lixiang 九州大学, 大学病院, 外国人特別研究員
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Keywords | インスリン感受性 / 脂肪肝炎 / 臓器間連関 / 小胞体ストレス |
Research Abstract |
1.NASHモデルの検証:高脂肪負荷によるNAFLDからNASH発症におけるミトコンドリアダイナミクスの役割を明らかにした。 (1)肝中性脂肪量増加、炎症性マーカー(F4/80,MCP-1)発現亢進、肝細胞のアポトーシス(TUNEL)さらにネクローシスの増加、肝繊維化(Picrosirius Red Stain)の増加を確認した。電顕でミトコンドリアの形態異常(膨化)を確認した。 (2)遺伝子発現解析:マイクロアレイ法により遺伝子発現を解析した。脂質合成・分解に関与する遺伝子群の発現量に著変は認めなかったが、小胞体ストレスマーカーであるP3,ATF4が50-100倍増加を認めた。 2.個体レベルでの糖・脂質代謝解析:臓器間代謝ネットワークにおける肝臓ミトコンドリアダイナミクスの役割が示唆された。 (1)高脂肪食負荷Drp1LiKOマウスの脂肪組織、筋肉、肝臓におけるインスリンシグナルを解析した。肝門脈内ヘインスリン5単位を注入し、2分後に各組織を回収し、IRS2、AKT、リン酸化AKTの発現をwestern blot法を用いて解析した。肝臓でのAKTリン酸化が低下する一方、筋肉でのAKTリン酸化が亢進していた。肝臓でのミトコンドリアダイナミクスの低下が臓器間ネットワークを介して全身のインスリン感受性を変化させていることを明らかにした。 3.肝ミトコンドリアダイナミクスを標的とした創薬研究:siRNA,dnDrp1による肝臓でのDrp1のノックダウン、機能阻害を試みた。(2)Drp1に対する2種類のsiRNAを合成し、RSMENDに搭載し、野生型マウスの尾静脈より投与。1,3,7日後の肝臓におけるDrp1の発現をwestern blot法を用いて確認した。3日目でDrp1の発現が40%に低下、7日目には発現が回復していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
半年間で当初の予定どおりに進展している。特に臨床応用を目指した、肝臓でのDrp1ノックダウンがsiRNAおよびdnDNAにて予想どおり観察できた点が評価できる。今後はその効率を上げる必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画どおりに以下の研究計画を遂行する。1.NASHモデルの検証:(2)小胞体ストレスマーカーの増加を確認。(3)酸化ストレスの評価を行う:ミトコンドリア呼吸活性を測定する。2.個体レベルでの糖・脂質代謝解析:(2)Drp1LiKOマウスを用い、摂餌量、酸素消費量、呼吸商、体温、血圧等の代謝パラメーターを解析する。3.肝ミトコンドリアダイナミクスを標的とした創薬研究:(2)肝臓でのDrp1ノックダウン効率を上げる。(3)遺伝子レベルでの網羅的調査:マイクロアレイを用いてDrp1LiKOで変化する遺伝子群を網羅的に同定し、ミトコンドリアダイナミクスと神経シグナルをつなぐ候補分子の同定を行い、新たな治療標的分子の探索を行う
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Research Products
(1 results)