2014 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアダイナミクスによる糖・脂質代謝調節機構の解明
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12F02426
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野村 政壽 九州大学, 大学病院, 講師 (30315080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Lixiang 九州大学, 大学病院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ミトコンドリアダイナミクス / 小胞体ストレス / FGF21 / 肥満 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖・脂質代謝におけるミトコンドリアダイナミクスの役割を明らかにする目的にて、ミトコンドリア分裂を制御するDRP1を肝細胞特異的に欠損するマウス(Drp1LiKO)を作成し、以下の3点を明らかにした。①Drp1LiKO)マウスに高脂肪食負荷をかけると肝細胞で小胞体(ER)ストレスマーカー(P8, ATF3, TRIB3, ASNS, CHOP)発現の著明な増加、Unfolded protein response (UPR)が誘導され、ミトコンドリアダイナミクスの障害は著明なERストレスを引き起こすことを明らかにした。一方驚くことに、②Drp1LiKOマウス肝臓、筋肉や褐色脂肪でのインスリン感受性(AKTリン酸化)が改善し、Drp1LiKOマウスは耐糖能が良好であり、より脂肪を燃焼し肥満抵抗性を示した。③Drp1LiKOマウスの肝臓および血中FGF21が著しく増加していた。すなわち、肝臓でのミトコンドリアダイナミクスの障害により、ERストレスが惹起され、ATF4 (integrated stress responseのマスター調節因子)の発現亢進を介したFgf21の発現増加により、末梢組織のインスリン感受性亢進、脂肪燃焼の増加によるものと考えられた。 以上の結果より、Mtダイナミクスはミトコンドリア-ER間オルガネラ相互作用を介してERの恒常性を維持しており、肝臓でのミトコンドリアダイナミクスは高脂肪食等のストレスセンサーとして機能し、エネルギー代謝を制御していることが示唆された。ミトコンドリアダイナミクス-ERストレス-Fgf21軸はエネルギー代謝調節におけるself-defenseシステムであると考えられる。本研究によりミトコンドリアダイナミクスはメタボリックシンドロームの治療標的となる可能性が極めて高いことが示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)