2012 Fiscal Year Annual Research Report
次世代高エネルギー密度型リチウムイオン電池およびナトリウムイオン電池用正極材料
Project/Area Number |
12F02506
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
鹿野 昌弘 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BENYAHIA Hamdi 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 外国人特別研究員
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Keywords | リチウムイオン電池 / ナトリウムイオン電池 / 電極材料 / 無機合成 / 結晶構造解析 / 単結晶 / ポリアニオン |
Research Abstract |
新規なアルカリイオン電池を提案するため、種々の酸化物を中心に電極材料を探索している。本研究開始前のスクリーニングで選択したA^+2M^<2+>O_2およびA^+_3M^<2+>O_<2.5>(A:Li, Na, K;M:Mn, Fe, Co)系はトンネル構造を有しており、正極材料として有望であると考えている。福岡で開催された第53回電池討論会バルセロナで開催されたInternational Battery Association meeting 2013において国内外の最新の研究動向を調査したところ、上記の化合物に関する先行研究は存在しない事が確認できた。その一方で、鉄オリビン(LiFePO_4)を端緒としたポリアニオン系の化合物に関する研究が、ケイ酸塩などへとそのすそ野を広げつつある。そこで、A^+_2M^<2+>O_2およびA^+_3M^<2+>O_<2.5>系に加え、本研究においても新規なポリアニオン系材料の創成も視野に入れる事とした。本年度においては、A^+_2M^<2+>O_2およびA^+_3M^<2+>O_<2.5>系の合成条件の検討を進めているものの、短い期間であったため残念ながら的確な合成条件を得るに至っていない。ポリアニオン系では硫酸塩や亜硫酸塩についての検討を行ったところ、電極材料としての有効性は確認できなかったものの3種のMn系化合物Mn_2(OH)_2SO_3、Mn_2F(OH)SO_3、Mn_5(OH)_4(H_2O)_2[SO_3]_2[SO_4]を見出し、その合成と結晶構造についてDalton Transactionsへ投稿し受理された。掲載は、次年度になる予定である。特に、Mn_5(OH)_4(H_2O)_2[SO_3]_2[SO_4]は無機亜硫酸硫酸塩として初めての報告例であり、新しい物質群開発へのきっかけになる事を期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、次世代のアルカリイオン電池用正極材料の創成を目指すものである。スクリーニングによっていくつかの候補材料について検討を進めているが、現在まで非常に短期間であったためまだ有用な材料の開発には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的な研究の推進方策は当初計画通りで変更はしない。しかし、学会等での研究動向調査から、材料系をポリアニオン系に拡張した方がより広範な材料設計が可能である事が確認できたため、ポリアニオン系に関する検討も継続する。
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