2012 Fiscal Year Annual Research Report
炭素ナノホーン凝集体の組織化によるニューロモルフィック機能材料開発
Project/Area Number |
12F02507
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
中山 知信 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主任研究者
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XU J. (独)物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 外国人特別研究員
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Keywords | カーボンナノホーン / マルチプローブSPM / ニューロモルフィック材料 / ネットワーク伝導 |
Research Abstract |
本研究は、多数のCNHs凝集体を連結して神経模倣型ネットワーク構造を実現し、CNHs凝集体の性質と凝集体間の接点の性質の制御を通じて、2次元ならびに3次元空間に広がったナノ構造体に非線形応答性を付与していくことによって、ニューロモルフィック機能材料を開発する。 初年度はまず、CNH凝集体から構成される5~10マイクロメ-トルのクラスターの電気伝導特性を検討した。計測したクラスターは、80-100m,のサイズを持つCNH凝集体から構成されるので、およそ十数万~百万個程度のCNH凝集体から成るネットワーク材料とみなす事ができる。電解研磨による先鋭化の後にフッ化水素処理したタングステンプローブ2本を光学顕微鏡下でクラスターに接触させて、ひとつのクラスター全体の伝導度が時間とともに変化していく様子を捉えた。この時間的変化は、CNH凝集体のクラスターを流れる電流量に依存する挙動を示しており、伝導度のノイズはクラスターサイズに依存していた。特に後者は、クラスターがニューロモルフィック機能材料としての基本的特性を備えているかどうかを判断する上で重要な情報を与えているので、さらに解析を進めている。さらに、クラスターを構成するCNH凝集体一つ一つをマルチプロ-ブSPMによって解像して観察し、2本の先鋭化させた金属プローブによるAFM像観察後に目的のCNH凝集体上にプローブを設置することに成功した。この状態で2本のプローブを用いて計測した電流-電圧特性は非線形であり、時間的に変化する様子が捉えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施した電気伝導計測によって、CNH凝集体によるネットワーク構造が神経模倣型の機能、すなわちニュ-ロモルフィック材料として機能する可能性が示された。さらに、マルチプローブSPMによるCNH凝集体のナノ構造を観察できたことは、翌年度に向けた重要な成果であり、当初の計画通り順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
マルチプローブSPMによるCNH凝集体クラスターの電気伝導計測を本格化していく。クラスターをニューロモルフィック材料として利用するために必要なCNH凝集体の機能化(金属内包)の最適化とともに、クラスターへのパルス電圧印加とその応答波形観測を行う。入力パルス幅を変化させつつ、出力波形の変化を観測し、クラスター内でのリカレントタイプ伝導パスの存在を明らかにする。さらに、3本のプローブを用いたクラスター内での信号演算性確認(2入力、1出力)を行い、CNH凝集体によるネットワーク材料が、ニューロモルフィック材料として機能しうる事を最終的に確認する。
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Research Products
(4 results)