2012 Fiscal Year Annual Research Report
RNA-蛋白質複合体ナノチューブの創製とそのRNA干渉法及びバイオ検出法への応用
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12F02508
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
阿部 洋 独立行政法人理化学研究所, 伊藤ナノ医工学研究室, 専任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ナイル バイジュ 独立行政法人理化学研究所, 伊藤ナノ医工学研究室, 外国人特別研究員
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Keywords | 蛋白質 / RNA / RNA干渉 / DDS |
Research Abstract |
本研究では、RNAと蛋白質ナノチューブの複合体を構築し、RNAの生体内デリバリー法を確立し、新規RNA干渉技術として利用することを目指す。本年度はまず蛋白質ナノチューブの構築法を検討した。400nmのボアサイズを有するTrack etchedポリカーボネート膜を鋳型として用いて、蛋白質チューブを作成した。鋳型にポリアルギニン(MW70,000)をコートし、続いてポリグルタミン酸(MW70,000以上)をコートする。これを4回繰り返すことで、蛋白質ナノチューブを成長させることができる。続いて、鋳型をジメチルホルムアミドに溶かすことで、ポリカーボネート膜を除去して、蛋白質ナノチューブを遊離させる。得られたナノチューブを走査型電子顕微鏡で解析した。その結果、その直径は400nmであった。内径は200-250nmぐらいであった。長さは6-7μmであった。続いて、フルオレセインイソシアネートで処理することで、蛋白質ナノチューブを蛍光標識した。この蛍光性ナノチューブを培養細胞上に振りかけ、蛍光顕微鏡で解析した。その結果、蛋白質ナノチューブは、細胞と相互作用していることが示唆された。また、興味深いことに、ナノチューブは細胞膜上に垂直に立っていることが示唆された。さらに、細胞膜非透過性のpropidium iodideを添加したところ、細胞内部に拡散した。このことは、ナノチューブの内部を通過して物質が移動したことを意味する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験を始めて5か月で新しい現象を発見できたことから、順調に研究が進んでいると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
蛋白質ナノチューブが、低分子を透過させることができるこの現象を、デリバリーに使えるか検討する。
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