2012 Fiscal Year Annual Research Report
時系列遺伝子発現データからの遺伝子制御ネットワークの推定
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12F02709
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
津田 宏治 独立行政法人産業技術総合研究所, 生命情報工学研究センター, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DUVERLE David 独立行政法人産業技術総合研究所, 生命情報工学研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 遺伝子ネットワーク / 遺伝子発現データ |
Research Abstract |
平成24年度は、癌細胞における制御ネットワーク推定の第一歩として、予後データと遺伝子発現データからの遺伝子相互作用を推定するアルゴリズムの設計と実装を行った。本手法は、Cox regression modelと、itemset miningを組み合わせたものである。通常のcox regression modelでは、単一の遺伝子発現量を説明変数として用いているため、遺伝子間の相乗作用を発見することができない。従って、疾患遺伝子の特定のために重要な合成致死現象の発見も困難である。本手法では、itemset miningと、正則化パス追跡技術を組み合わせて、全ての遺伝子の組み合わせ上で、Cox regression modelの推定を行うことができる。神経芽腫や白血病のデータに適用したところ、多数の二遺伝子や三遺伝子の相互作用を発見することができた。また、それらに対してKaplan-meier plotを描画したところ、統計的に有意なp-valueを得ることができた。それらの相互作用は、現在、名古屋大学医学部におけるin vitro実験によって検証中である。アルゴリズム上の新規ポイントとしては、itemset miningにおける枝狩り条件に、Fractional Programmingの解析解を用いている点が挙げられる。今後は、この手法を用いて制御ネットワークの推定を行うことを予定している。また、論文としてBioinformatics誌に投稿予定である。新たに開発した枝狩り法は、グラフマイニングや、系列マイニングにも適用できるので、そのような方向性でも研究を進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この一年で、アルゴリズムの設計と実装を終えているため。あと数カ月で論文投稿が可能なところまで来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
本手法で得られた相互作用について、名古屋大学医学部で確認がとれれば、さらに詳しい生物学的実験に進める。結果的に神経芽腫の原因の特定に向けて努力する。さらに、ネットワーク推定法の進化も進めていく。
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