2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02716
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
出原 隆俊 大阪大学, 文学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TANAKA KathrynMarie 大阪大学, 文学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 日本近代文学 / ハンセン病 / 医学史 |
Research Abstract |
当該研究は、基本的に医学と文学の共通点を中心に文学の社会的価値を考えている。2012年の11月から研究活動が進展しており、TANAKAはMedicalHistoryというジャーナルに提供する論文を書き、編輯されている本の原稿を出した。その研究は菊池恵風園にて過去に行われていた「檜の影」短歌会と病院の日常生活について書いている。短歌を使い、どのように病院というものを「自分の居場所」にするのかというところから研究が始まった。また、2012年12月14日に、慶応大学で行なわれた第6回目となるアジア医学史学会にて、TANAKAは幸田露伴のハンセン病についての扱いや1890年に書かれた英語のゴストストリーの中のハンセン病の扱いについて発表した。これは、比較文学に近く、英米社会と日本の社会はどのようにハンセン病に対して恐れを抱きそれが文学で描かれたという点から始まった。2014年、この発表を改訂し、出版したいとTANAKAは構想している。そして2012年の12月16日に、大阪大学で行った「ハンセン病のグローバルヒストリー」の企画運営をTANAKAは手伝い、外国から来た来賓発表者の翻訳なども手伝った。2013年は3月2日の研究会で、TANAKAは「ハンセン病と日本近代文学一文学によるコミュニティー形成」について発表した。できるだけ幅広い場所で研究を紹介し、皆に医学と文学について考えてもらい、意見を得ながら研究続けていくことをTANAKAは念願としている。 また、TANAKAは本の原稿を少しずつ改訂し、できるだけ広い場所で自分の研究を発表していこうとしている。TANAKAは大阪大学の大学院生向けのゼミにも参加し、自分の研究発表の機会を得ている。出原は、こうしたTANAKAの研究に対して、本人の視野に入っていなかったハンセン病文学の作品を紹介し、さらなる研究の進展を支援してきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TANAKAは研究発表を2ヶ月に一回のペースを目標に研究を行っている。本の計画を立てながらジャーナルへの論文も提供している。論文の研究を改訂し、新しい研究も含めて進展している。大阪大学での大学院生向けのゼミにも参加し、その場でも自分の研究について発表している。そして科研費共同研究会「ハンセン病研究の新視角-〈隔離〉の知から〈つながり〉の知へ」の一員として研究会に参加しており、おおむね順調に進展しているといえる。出原はこのようなTANAKAの研究について、さまざまな相談を受けて適宜アドバイスをしている。
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Strategy for Future Research Activity |
TANAKAは今後も引き続き研究発表を2ヶ月に一回のペースで続けていこうとしている。大阪大学のゼミにも科研費共同研究会にも参加しつつ、自分の研究を発表して、他の人の研究にも協力していく姿勢を示している。TANAKAは2013年の6月までに、ジャーナルの特別編集に参加するために、Conception in the Hospital : Family, Birth, and Children in Hojo Tamio's Fictionの原稿を書き終え、本の計画や改正を進展しながら、これから幸田露伴のハンセン病の扱いについての論文をジャーナルに提供する予定である。2013年は、出来る限り多くの発表を行い、そしてジャーナルの原稿2つを目標に研究を続けていこうとしている。その上で、TANAKAは本の計画を英語の出版社に出し、本の改訂を進展させて行く準備にあたろうとしている。
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Research Products
(4 results)