2012 Fiscal Year Annual Research Report
低消費電力マルチコアプロセッサとその並列ソフトウェアに関する研究
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12F02730
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
笠原 博徳 早稲田大学, 理工学術院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HILLENBRAND Dominic 早稲田大学, 理工学術院, 外国人特別研究員
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Keywords | マルチコア / OS / コンパイラ / 低消費電力 |
Research Abstract |
本研究ではマルチコアを中心としてエネルギー効率の良いコンピューティングアーキテクチャについての研究を行った。研究中のコンパイラはスレッド及び電力スケジューリングの為のアプリケーションスペシフィックなスケジュールを生成する。本コンパイラでは電力制御のためのハードウェアを直接制御することにより、組み込みシステム上でのスケジュール性能を向上し低消費電力化することを可能としている。しかしスマートフォンやサーバーなどのより複雑なシステムでは、OSがアプリケーションレベルでのハードウェアアクセスに制限を加えてしまう。従って本研究では我々のコンパイラによりスケジュールされたアプリケーション(CSA)とOSを調和させるためのハードウェア/ソフトウェア協調アーキテクチャを研究も行った。これによりルネサスマルチコアチップ上で動的電圧周波数スケーリング(DVFS)の周波数変更時、待ち時間を1/155に制限することに成功した。 さらに、富士通との産学協同プロジェクトにも参加しOSの改良にも取り組み、タブレットPCで予想通り50倍の速度で電源管理を行えることを示した。 これらの成果は情報処理学会オペレーティングシステム研究会、及び計算機アーキテクチャハイパフォーマンスコンピューティング研究会合同研究会にて、2件の論文(査読なし)として発表するとともに、HiPEAC(Hi-Performance and Embedded Architectures and Compilers Conference)のポスター論文(査読有り)として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現在、実績として2件の国内研究会論文と1件の国際会議でのポスター論文、及び電通大での招待講演が挙げられる。 研究内容的にはHWISW協調アーキテクチャの研究と電力削減のためのOS改良の研究に取り組み、電力効率の向上が可能なことを示した。この成果はタブレットやサーバーなどのより複雑なデバイスに適用できる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目標として、更なる電力効率の向上のために種々のマルチコアハードウェアアーキテクチャ上でのコンパイラとOSの協調を継続する。さらに産業界と連携を深め、調査結果を発表していく所存であり、グリーンコンピューティングセンターでの研究環境は、今後の研究にとって最適である。 また笠原教授が就任したIEEE Computer Societyマルチコア戦略委員会を補佐するセクレタリーに就任し、笠原教授と共に世界のマルチコア研究、教育、出版、標準化にも貢献していく計画である。
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Research Products
(6 results)