2012 Fiscal Year Annual Research Report
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12F02732
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 雄二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SONG Ki-Young 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | MEMS / ピラー構造 / 液滴 / 超撥水性 / 超撥液性 / 電気的安定性 / 接触角ヒステリシス |
Research Abstract |
近年,マイクロ流体デバイスにおいて電気的制御による液滴操作技術に対する関心が高まっている.本研究では,MEMSピラー構造を用いた超撥液表面での濡れ性・電気的安定性の現象解明とその最適設計に基づいた液滴デバイスの開発に取り組んでいる.平成24年度には,MEMS技術を用いて製作される周期的ナノピラー構造を用いた超撥水性表面を用いた液滴輸送において,液滴とピラー表面間に空気層を形成するCassie-Baxter状態を保持する観点から,液滴の静的・動的接触角ヒステリシス特性および電圧印可に対する液滴速度をモデル予測し,抵抗力の評価を行った.特に,固体面積割合を一定とした周期的ナノピラー構造を形成し,静的・動的接触角特性に及ぼすピッチの影響を実験的に調査した.本研究では,電子線描画を用いてデバイスを試作し,その加工精度を向上する観点からプロセス条件の最適化を行った.また,電気的制御による液滴輸送デバイスにおける液滴速度と抵抗力成分の関係を解析モデルにより明らかにした.本実験およびモデル評価を通じて,動的接触角ヒステリシスがピッチの減少とともに低下すること,および液滴の高速移動時には接触線抵抗が支配的となることが示唆された.今後,現在までに開発した周期的ピラー構造を用いた超撥水/超撥液性表面に応用し,電気的制御による濡れ性の可逆的変化(可逆的スイッチング機構)を用いた高速液滴輸送を実現するための理論的検討を進めるとともに,濡れ性の可逆的変化機構を付加したMEMSデバイスの製作に取り組むことを予定している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度にMEMSピラー構造を用いた超撥水表面での濡れ性・電気的安定性を系統的に評価し,研究目的を達成するための基礎的知見が蓄積されており,おおむね順調に研究が進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,MEMS技術により製作された実デバイスを用いた評価実験,および理論的・解析的なアプローチによる検討を進めることで,本研究課題をさらに推進する.
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Research Products
(1 results)