2013 Fiscal Year Annual Research Report
溶接変形・残留応力の理論および実験に基づく予測に関する研究
Project/Area Number |
12F02735
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村川 英一 大阪大学, 接合科学研究所, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YUAN Hua 大阪大学, 接合科学研究所, 外国人特別研究員
|
Keywords | 溶接変形 / 溶接残留応力 / 理論予測 / 有限要素法 / 造船 / 多層溶接 / 固有変形 / X線回折 |
Research Abstract |
溶接変形は製品の強度などの性能低下の原因となるばかりではなく、組立段階での変形が大きい場合にはロボットなどによる自動化の妨げや手直し工事増加の原因となるので、溶接変形を予測し許容値以下に制御する必要がある。一方、船は居住区や機関室などの構造部位により鋼材の板厚が異なり、板厚に従って1層溶接と多層溶接の使分けが行われる。また、船の建造工程に注目すると船は鋼材の切断、線状加熱による曲げ加工、位置決め(仮付け)、溶接、歪取、ブロック搭載などの加工工程を経て完成に至る。したがって、製品の形状・寸法精度を理論的に予測するためには、これら全ての工程を視野に入れた予測が必要となる。 平成25年度は、1層溶接により組立てられるバラ積船やフェリーの上部構造などの薄板構造物を対象に、溶接変形の理論による予測をYUAN氏が担当した。なお、大型構造物の変形を予測するためには、溶接熱履歴の下で生じる局部収縮の大きさを予め把握しておく必要があり、そのために熱弾塑性有限要素法による解析も実施した。 接合科学研究所が保有する有限要素法プログラムを用いた解析と平行して、多層溶接による多重熱履歴における弾塑性挙動を精度良く解析するために、繰返し荷重下での弾塑性変形に関する最新の理論を調査し、これをプログラムに組み込む作業を進めた。また、有限要素法による解析結果を検証するため、ビード溶接試験片などを対象にX線回折による溶接残留応力の計測を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に従って順調に研究が進んでおり、成果は船などの実構造物の溶接組立て変形予測に適用されている。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従って順調に研究成果が得られているが、今後は外国人特別研究員自身が執筆した論文投稿を進めて行く予定である。
|
Research Products
(5 results)