2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02749
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
隈 研吾 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIPPA Cristiano 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 建築 / 宇宙 / 重力 / 都市景観 / 地面 / 地形 / スカイライン / 断面図 |
Research Abstract |
本研究の平成25年3月31日までの初期段階では、宇宙建築と日本における構築環境に関する先行研究の調査を行いました。これらの先行研究の論理の一貫性および本研究の主題との関連性を分析することで、本研究の構造モデルと方法論の選択に応用する事が可能となりました。 建築とそれらを取り巻く環境の比較にあたって、先行研究で見られるグラフィックを使用した表現の手法を基に、独自の視覚表現の作成に着手しました。本研究の初期段階での主な構想は、日本の都市環境の建築と宇宙の建築を科学的に比較および分析するためにセクション(断面図)を用いるというものです。建築における断面図は、ルネッサンス時代に図面での表現として考案された手法です。本研究の意図はこの断面図というツールを科学的研究に応用し、複数の重要な既存建築物の断面図を描き比較することで、その部分的な構築要素だけでなくその社会性、経済性、そして人の関係性を同時に表すというものです。 将来的に地球全体は、一国における現象と同様に都市化して完全に構築されていく傾向にあります。例として日本の都市、特に大都市の断面を見ると、そこでの開発の垂直性やそれに伴った三次元構造と厚みの増大が散見されます。この三次元構造はISS宇宙ステーションの機能的計画と類似しており、都市的(従って惑星的)環境での重力とその法則に対する抵抗は、垂直方向の厚みの増大という結果がもたらされます。 これらの考察から、次の段階である地球の一部分、特に日本列島近辺の図的表現での分析の開始へと至りました。 分析結果の表現として、人口の構築物や人間の生活モジュールを含む、地表から地球大気の低軌道セクターまでの幾つかの断面図表す計画としています。この初期段階である過去数ヶ月間は、分析対象の下部断面を構成している東京の地形と都市構造の関連性への理解に向けてきました。
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Current Status of Research Progress |
Reason
(2)先行研究の分析後、部分的な変更はありましたが、大部分は当初の研究計画に基づき総合的に良い進捗状況であると考えています。本研究の一部はすでに国際学術会議や専門誌において発表しており、国際的なアカデミックコミュニティから建設的なフィードバックと支援を受けています。
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Strategy for Future Research Activity |
次の段階は、断面図としてのツールの定義と、それを用いた分析の継続となります。断面図は全ての情報を表す純粋な図面表現ではないため、どの科学的情報や要素が含まれるのか選択する必要があります。結果として、単に断面図ツールの科学的有効性のみでなく、比較的容易に理解できる視覚表現として提示することを目標としています。更に国際会議やシンポジウムに出席し、専門家やその他学者からのフィードバックを得る予定です。最終段階は研究結果の出版物となります。
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Research Products
(3 results)