2013 Fiscal Year Annual Research Report
土壌中の亜鉛と根の酸化鉄プラークの相互作用がイネの亜鉛吸収に及ぼす影響
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12F02761
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
Wissuwa Matthias 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 生産環境・畜産領域, 主任研究員 (90442722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CLAFF Salirian 独立行政法人国際農林水産業研究センター, その他部局等, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 亜鉛 / リンの有効性 / シンクロトロン放射光 / 亜鉛動態 / 亜鉛吸収 / 地学的実験 / 土壌化学特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
主に亜鉛吸収メカニズムに関する実験解析および亜鉛欠乏土壌の特性に関する栽培試験を行い米国、英国およびオーストラリアの3つの共同プロジェクトに参画し共同研究を行った。このうち英国のプロジェクトでは亜鉛,オーストラリアのプロジェクトではリンの有効性について検証した。3番目のプロジェクトとしてスタンフォード大学シンクロトロン放射光施設を利用した分析実験を予定しているが大学側との利用交渉で手間取っており大幅に遅れた。この分析から得られるデータは亜鉛動態の一般的な理解につながるが、この実験の遅延が今後予定している以下2件の出版物には影響はない。しかし、論文発表には至っていないが,これらの2報に必要なデータはすでに手元にある。ひとつは水稲2品種の亜鉛吸収における鉄プラークの影響、ひとつは複数の亜鉛欠乏土壌における土壌化学特性に関する研究である。 これらの結果については2014年6月に韓国済州島で開催された「World Congress of Soil Science」にて「Interaction between Fe plaque and Zn uptake in rice」のタイトルでポスター発表を行った。この国際会議では鉄[Fe(III)]プラークが植物中の亜鉛濃度に及ぼす影響について得られた最初の結果ついて発表を行う。 亜鉛吸脱着に関する実験も予定しているが、すでに終了した実験結果の発表を優先した。当初計画より遅延が生じているのは、地学的実験に必要なスペースの確保に一部困難が生じ、また植物を扱うことが困難であったことが主な理由である。しかしながら実験室内での作業は完了し、上記2報の執筆には影響しない。 しかしながら先に述べたとおり遅れが生じたスタンフォード大学シンクロトロン放射光施設を利用した分析実験を除けば当研究所での主な実験はほぼ完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
スタンフォード大学のシンクロトロン放射光実験により亜鉛鉱物を特定しバルク土壌,根圏および鉄[Fe(III)]鉱物構造中の鉄鉱物について定量を行い、平成26年3月までに研究成果の取りまとめを行う予定であったが大学側の準備等の遅延により延期されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
シンクロトロン放射光を用いたX線技術(synchrotron based x-ray techniques)実施後は試験で得られたデータをもとに解析を行い研究期間末日までにこの2年間の研究結果の取りまとめ。 また、以下2件の出版を予定している。 ・The effect of iron plaque on zinc uptake from two lowland rice species ・A chemical characterization of a range of zinc deficient soils 韓国済州島で開催される「World Congress of Soil Science」において「Interaction between Fe plaque and Zn uptake in rice」のタイトルでポスター発表。
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