2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02762
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
橋谷 光 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MICHELLE Lam 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 前立腺 / 筋線維芽細胞 / ペリサイト / 過活動膀胱 / T型Ca^<2+>チャネル / PFGFRα |
Research Abstract |
モルモット前立腺組織標本を用いて細胞内電位と張力の変化の同時計測を行い、ニフェジピン(1μM)は平滑筋のL型Ca^<2+>チャネル依存性収縮を部分的に抑制するのみで、完全に抑制するためには10μM程度が必要である事を示した。また平滑筋のL型Ca^<2+>チャネルを完全に抑制した条件下で残存する自発脱分極は、T型Ca^<2+>チャネルであるニッケルおよびミベフラジルにより抑制された。従って前立腺平滑筋の自発活動は、小胞体からのCa^<2+>遊離によりCa^<2+>活性化塩素イオンチャネルが開口して生じる自発一過性脱分極(STD)がT型Ca^<2+>チャネルを活性化し、さらにL型Ca^<2+>チャネルを開口することにより生じると考えられた。 経神経刺激による電気的および収縮反応はグアネチジンおよびフェントラミンによってはほとんど抑制されず、α,βメチレンATPにより強く抑制されたことから、神経から放出されるATPのP2X受容体への作用が主要な機構であると考えられた。 マウス前立腺組織標本を用いた細胞内電位記録により、自発一過性脱分極およびスローウエーブが発生することを示した。また免疫蛍光組織染色により、血小板由来成長因子(PFGFR)α陽性の(筋)線維芽細胞が密に分布している一方、Kit陽性細胞は散在するマスト細胞以外には存在しないことゆら、これまで電気的ペースメーカーとしての可能性が示唆されて来たKit陽性細胞がそうした役割を担っている可能性は低いと考えられた。PFGFRα陽性線維芽細胞はモルモット前立腺にも分布していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
消化管で細胞選択的マーカーとして機能している抗体のうち、PFGFRa以外は全く染色が得られないもしくは非選択的な染色が得られており、前立腺における間質細胞とくに筋線維芽細胞の特異的なマーカーの決定が進んでいない。またマウスおよびモルモット前立腺はブドウの房状の構造を持つため、全載伸展標本の固定標本の作成が容易ではなく、切片標本による観察が主体となっているため細胞形状および平面的な広がりについての情報が乏しい。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き筋線維芽細胞のマーカー検索を行うが、同時にPFGFRβ、NG2などペリサイトマーカーの染色およびSK3Ca^<2+>活性化カリウムイオンチャネル)やAno-1(Ca^<2+>活性化塩素イオンチャネル)などの機能的マーカーについても併行して検索する。Collagen1(α1)-GFPマウスが入手出来た場合には、これを活用する。単離細胞を細胞形状および自発Ca^<2+>変動の性質から識別し、電気活動の記録を行う。 外科手術で得られたヒト前立腺組織標本を用いて、免疫蛍光染色および電気現象および細胞内カルシウム動態についての機能解析を行う。 食餌性にインスリン抵抗性の2型糖尿病様病態を発症させたマウスにおける前立腺の機能形態学的変化を調べる。
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Research Products
(1 results)