2013 Fiscal Year Annual Research Report
深海フロンティア-近年の環境変動は日本の深海底生生物群集を変えるか
Project/Area Number |
12F02765
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
豊福 高志 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, チームリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MAMO Briony 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋・極限環境生物圏領域, 外国人特別研究員
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Keywords | 人為的環境変動 / 生物多様性 / 底生有孔虫 / 室内培養実験 |
Research Abstract |
本研究では, 深海の底生生物を含んだ堆積物を対象に水温などの環境を精密に制御し、条件を変えた飼育実験を実施し, 群集構造解析, 生活様式観察および代謝活性や殻の形態学的解析など、深海生物生態系とその活動に与える影響を評価することを目的としている. 実験は、昨年度に引き続き、pH条件を変化させた室内培養実験を行った。培養は昨年度同様に干潟堆積物(浅海)を行った。さらに、本研究のために、相模湾初島沖水深1000mから深海堆積物を採取し、同様の実験を行った。実験では底生生物を含む堆積物を水温, 塩分, pHをコントロールして培養した。実験中はこれらの環境因子に加えアルカリ度のモニタリングを実施した。実験期間終了後は堆積物中のpH、溶存酸素(DO)プロファイルを測定した上で、堆積物を表層から深度方向に1cm間隔で切り分けた。切り分けた堆積物はローズベンガルアルコールで固定した後、篩上で水洗し、乾燥した上、顕微鏡下で底生有孔虫試料を拾いだした。同様の実験を相模湾水深1000mから得られた深海堆積物についてもおこない、群集を拾いだした。いずれの実験区からも多くの有孔虫試料が得られており、今後の解析に供される予定である。 以上の結果について専門研究者と議論するため、日本古生物学会、日本地球惑星科学連合およびNorth American Paleontological Conventionにて発表を行った。また、南フロリダ大学セミナーに招待され"Applications of Foraminifera : Sea-level fluctuations and palaeoclimates from the New Caledonia Basin and identifying extreme events from the SW Pacific"の演題で発表した。また、愛知県立春日井高等学校においてJSPSサイエンスダイアログ講師を担当するなど、国際交流並びにアウトリーチにも尽力した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
pH条件を変化させた室内培養実験は当初予定に沿って順調に進捗している。また、堆積物処理も予定通り終え、実体顕微鏡で拾い出しを始めている。解析にも大きな困難を伴わず、計画通り進められる。一方で計画を大きく上回る発見は今のところ無いので、②に区分するのが妥当である。
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Strategy for Future Research Activity |
進行中の拾い出しを完了させ、形態解析や微細構造観察などの解析を試みる。得られた結果については論文発表や学会発表などの成果としてまとめる。また、補足のデータが必要な実験について追加の実験を行う。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] オーストラリアGBRカプリコーングループの炭酸塩生態系に見られる底生有孔虫群集解析(Isolation of foraminiferal assemblages to identify carbonate biotopes from the Capricorn Group, Great Barrier Reef, Australia)2014
Author(s)
Mamo, B., Strotz, L., Brock, G., Valentine, J., Dominey-Howes, D., Toyofuku, T.
Organizer
日本古生物学会第163回例会
Place of Presentation
兵庫県三田市, 兵庫県立博物館
Year and Date
2014-01-25
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