2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02773
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
安川 正貴 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CASEY N.P. 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 細胞傷害性T細胞 / T細胞レセプター遺伝子 / 遺伝子治療 / 免疫療法 / 白血病 / ヒト化マウス / WT1 / Aurora-A |
Research Abstract |
悪性腫瘍に対する新たな免疫遺伝子治療の開発を目的で研究を遂行し、以下の結果が得られた。 1.すでに当研究室で樹立したWT1特異的HLA-A24拘束性およびAurora-A kinase特異的HLA-A2拘束性細胞傷害性T細胞(CTL)クローンからT細胞レセプター(TCR)遺伝子を単離した。さらに、タカラバイオ株式会社との共同で、内在性TCR発現を抑制する新規TCR発現レトロウイルスベクターを構築した。 2.WT1およびAurora-A kinase特異的TCR遺伝子導入人工CTLは、HLA拘束性にそれぞれの抗原特異的に細胞傷害活性を示した。正常細胞には、全く反応が認められなかった。 3.ヒト白血病細胞および肺がん細胞を免疫不全マウスNOGマウスに移植し、ヒト化マウスを作製した。その後、コントロールCTLまたはTCR遺伝子導入人工CTLを静脈内に移入し、白血病細胞および肺がん細胞の増殖、ならびにマウスの生存率を観察した。その結果、TCR遺伝子導入人工CTL移入した時においてのみ抗腫瘍効果が得られた。 4.さらに、白血病ヒト化マウスに大量化学療法を施行したが、白血病幹細胞の残存を確認した。大量化学療法後に、WT1特異的TCR遺伝子導入人工CTLを移入したところ、他のマウスへの白血病細胞の継代ができなかったことから、WT1特異的TCR遺伝子導入CTLの養子免疫によって、化学療法抵抗性の白血病幹細胞を根絶できることが示された。 5.以上の結果から、WT1およびAurora-A kinase特異的TCR遺伝子導入CTLを用いた養子免疫療法は安全で効果的な免疫遺伝子治療となりうることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画であるがん特異的TCR遺伝子発現ベクターの構築が完遂できた。さらに、TCR遺伝子発現T細胞の抗腫瘍効果を確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
TCR遺伝子導入T細胞の機能解析を推進する。特に、HLAクラスI拘束性TCR遺伝子を導入したCD4陽性T細胞の機能解析を進める計画である。さらに、ヒト化マウスの実験系を用いて、ヒトがん幹細胞を標的とした抗腫瘍効果を確認する予定である。
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Research Products
(1 results)