2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02773
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
安川 正貴 愛媛大学, 大学院医学系研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CASEY N.p. 愛媛大学, 大学院医学系研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 白血病 / 遺伝子治療 / 細胞傷害性T細胞 / T細胞レセプター / WT1 / Aurora-A kinase |
Research Abstract |
白血病に対する新規免疫遺伝子治療開発の目的で研究を遂行し、下記の結果が得られた。 すでに開発が終了しているWT1特異的HLA-A24拘束性CTLクローン由来TCR遺伝子発現レトロウイルスベクターを用いてTCR遺伝子導入したT細胞は、親株のCTLクローン同様、WT1特異的HLA-A24拘束性細胞傷害性を獲得した。また、白血病細胞をHLA-A24拘束性に殺傷した。HLA-A24陽性白血病患者骨髄から分離した白血病細胞をNOGマウスに移植した。2~3か月後、骨髄にヒト白血病細胞が生着し増殖していることを確認できた。このヒト化白血病マウスにWTI特異的TCR遺伝子導入CTLを経静脈的に投与したところ、骨髄の白血病細胞が著明に減少した。他方、このヒト化白血病マウスに大量Ara-Cを投与したところ、骨髄白血病細胞が著明に減少したが、わずかながら残存していた。この細胞を別のNOGマウスに移植したところ、生着が確認されたことから、大量化学療法のみでは白血病幹細胞の排除は困難であることが明らかとなった。ところが、大量Ara-C投与後にWT1特異的TCR遺伝子導入CTLを経静脈的に投与したところ、骨髄のヒト白血病細胞は完全に消失し、別のマウスに移植しても生着は認められなかった。他方、正常造血幹細胞へは全く細胞傷害性を示さないことも確認できた。このことから、大量化学療法後にWT1-TCR遺伝子導入CTLを輸注することで化学療法抵抗性白血病を治癒に結び付けられる可能性が示された。さらに、WT1同様に白血病細胞に高発現しているAurora-A kinase特異的CTLクローンからも同様にTCR遺伝子を単離し、レトロウイルス発現ベクターを構築した。WT1特異的TCR遺伝子導入人工CTL同様に、Aurora-Akinase特異的TCR遺伝子導入人工CTL輸注によって、抗白血病効果が得られることが、ヒト化白血病マウスモデルで証明できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的である白血病幹細胞を標的としたT細胞レセプター遺伝子導入による新規性のある免疫遺伝子治療開発の基礎研究成果が得られた。
|
Strategy for Future Research Activity |
より効率的な治療法の開発を行うとともに、免疫チェックポイント制御などの人為的操作を加えた新規治療法開発にも着手する計画である。
|
Research Products
(4 results)