2012 Fiscal Year Annual Research Report
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12F02789
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宗政 昭弘 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GREAVES Gary 東北大学, 大学院・情報科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | グラフ / 対称行列 / エルミート行列 / 隣接行列 / 代数的整数 / 最小多項式 / 最大固有値 / 最小固有値 |
Research Abstract |
最小固有値が-3以上であるグラフ全体がどのような構造を持つか理解することを目標として、これまで受入研究者が行ってきた研究に参加した。最小固有値が-2以上であるグラフは、ルート系と呼ばれるベクトルの集合で実現することができ、この知識を共有しているため共同研究をスムーズに開始することができた。ホフマンの予想と呼ばれる、実質的には後にホフマングラフの概念を用いて自然に定式化される予想を肯定的に解決した。しかしこの問題はさらに広く解釈することができ、より広いグラフのクラスである、辺に符号をつけたグラフに対して定式化すべきということになった。そのため短い論文を急いで仕上げるのではなく、十分な一般的な設定の下で可能な限り強力な定理を証明することを目標とし、現在約12ページの論文の下書きが完成している。一方、固有値として現れる代数的整数に関する研究も引き続き行い、三重対角行列に注目して研究を行っている。三重対角行列の専門家と意見交換をするため島根大学を訪問した。また、得られた研究成果は名古屋大学、福岡市において開催された研究集会において発表した。さらに神戸学院大学においては、固有値に制限をつけたグラフに関する招待講演を行った。これらの研究集会に参加することで得られた研究交流のうち、実ユークリッド空問内の等角直線集合の研究がグラフの最小固有値と関連していることに気づき、新たなアプローチの研究を開始するとともに、新たな分野の未解決問題にも挑戦している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目標としていたホフマンの予想は肯定的な解決を見ることができ、その問題を機にさらに研究目的が明確になってきた。共著論文を執筆中であり、すでに12ページが完成し、まもなく公表できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず目標として、最小固有値が-2より真に大きい、辺に符号のついたグラフの完全な分類を目指す。また、そのようなグラフに対するホフマンの予想の類似が成り立つかどうかを決定する。
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Research Products
(3 results)