2012 Fiscal Year Annual Research Report
メタルフリーPECVD成長ナノ結晶グラフェン薄膜の詳細解析とデバイス応用
Project/Area Number |
12F02791
|
Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
水田 博 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SCHMIDT Marek 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | グラフェン / ナノ結晶薄膜 / CVD / ポイントコンタクト / ナノリボン / TEM / ホッピング伝導 |
Research Abstract |
英国サザンプトン大において、メタルフリーPECVD法により成長させたナノ結晶グラフェン(NCG)薄膜上に、高解像度電子線リソグラフィ(EBL)と酸素プラズマドライエッチングにより、2つのサイドゲートを有する微細ポイントコンタクトトランジスタ(PC-Tr)と、4端子測定用NCGナノリボントランジスタを作製するための素子レイアウトと作製プロセス構築を完了した。 ポイントコンタクト部の狭窄部の幅を100nm-30nmの範囲で変化させ、その領域に含まれるNCGグレインとグレインバウンダリ(GB)の個数と配置が異なるPC-Trパターンを設計した。また、サイドゲートとチャネル間の間隔を変化させることで、サイドゲートとNCGグレイン間の結合容量の異なるデバイス構造もデザインした。一方、NCGナノリボントランジスタの設計においては、コンダクタンスのチャネル長依存性から、2次元ホッピング伝導やアンダーソン局在などのナノ結晶特有のキャリア輸送特性を解析するため、電圧測定用端子間チャネル長を5μm-500nmの間で変化させた。これと並行して、高解像度TEM技術によるNCG薄膜内のNCGグレインとGBの予備的観察と、ラマンスペクトルによるGピークとDピークの強度比を詳細に測定し、NCG薄膜内に含まれるナノ結晶グラフェンのグレインの平均寸法が約3nmであることを見出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画には含めていなかった4端子測定用NCGナノリボントランジスタを含めたレイアウト設計を行ったため、素子設計工程にやや時間を要したが、素子作製プロセス構築を加速することで、ほぼ計画通りに進捗している。
|
Strategy for Future Research Activity |
電子線リソグラフィ技術と原子スケールヘリウムイオンビームミリング技術を組み合わせて、チャネル長・幅が<10nmの超微細PC-Trを作製するとともに、STEM観察により超微細PC-Trチャネル領域のNCGグレイン&GBの位置を同定する。2つのサイドゲートに印加する電圧を独立にスイープするスペクトロスコピー手法により、超微細PC-Trのチャネル内に存在する1個~数個のNCGグレイン&GBを介したキャリア輸送の微視的パスを制御し、PC-Trのコンダクタンスと物理的キャリアパスの相関を解明する。また、上記と同様の超微細加工技術を用いて、NCG薄膜上にチャネル長1μm~100nm、チャネル幅50nm~5nmの極細NCGナノリボントランジスタ(NCG-NRT)を形成し、気相HFエッチングによりNCG-NRT下のSiO2犠牲層を除去することにより、サスペンデッドNCG-NRTを作製する。サイドゲートおよびバックゲートにDCおよびRF電圧を印加した際のNCG-NRT素子の電気特性を測定する。
|
Research Products
(1 results)