2013 Fiscal Year Annual Research Report
磁気圏観測衛星SCOPE搭載用高性能小型軽量低エネルギー粒子計測装置の開発
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12F02792
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
齋藤 義文 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BEDINGTON Robert 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 磁気圏探査衛星 / SCOPE / 低エネルギー電子 / 低エネルギーイオン / 較正試験装置 / 大面積電子源 / 3次元分布関数 / 静電分析器 |
Research Abstract |
本研究では、我が国の次期磁気圏探査衛星計画であるSCOPE衛星に搭載する予定の観測装置に関する共同研究を実施している。SCOPE衛星計画は、1機の親衛星と4機の子衛星が編隊飛行を行って地球磁気圏の鍵となる領域の観測を行う衛星計画であり、4機の子衛星のうち3機には低エネルギー(数eV~数10keV)の電子、イオンの3次元分布関数を測定するための観測装置(EISA)を搭載する予定である。しかしながら、子衛星は重量・電力などのリソース条件が非常に厳しい一方で、可能な限り高い時間分解能で観測を実施する必要があることから電子とイオンを1台の観測装置で計測する事のできる新しい観測装置の開発が必要になっている。 平成25年度前半は、平成24年度中に開始したEISAの設計作業を進めてEISAの詳細設計を行った他、EISAの詳細設計の状況を取りまとめて学会発表を行い、関連する研究者との間で詳しい議論を行った。平成25年度後半には平成25年度前半に行なったEISAの詳細設計結果に基いて、実際にEISAの試験モデルの試作を行った。大掛かりな軽量化を含む衛星搭載可能なレベルの試作は非常に高価となるため、装置の性能を評価するために十分な程度の試作にとどめたほか、電子・イオンの検出器の数も評価試験に使用できる最小限にとどめ、現在実験室で保有している従来型の同種の観測装置を部分的に利用した設計とすることで、試作の費用を可能な限り低く抑えた。 一方、大面積電子源を含む較正試験装置の開発については、平成24年度に実施した概念設計を元に平成24年度中に調達した部品を用いて実際に電子源を試作してその性能評価を行った結果、初期モデルとしては十分に満足のいく結果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究開始当初に予定していた通り、新しい観測装置EISAの詳細設計を実施して、EISAの試験モデルの試作を行う事ができた他、大面積電子源を含む較正試験装置の開発についても較正試験装置の中心部となる大面積電子源の初期モデルの製作と特性評価試験を実施できたため、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は現在のところおおむね順調に進展しており、このまま当初に予定したように研究を進める予定である。研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での問題点も現在のところ特に無い。
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Research Products
(3 results)