2013 Fiscal Year Annual Research Report
有機系太陽電池の高性能化を目指した固体電解質の探索とナノハイブリッド構造の構築
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12F02799
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀬川 浩司 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
COJOCARU Ludmila 東京大学, 先端科学技術研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 有機系太陽電池 / 全固体色素増感太陽電池 / 酸化チタンメソ多孔体 / ペロブスカイト太陽電池 / 緻密酸化チタン膜 / ペロブスカイト層 / 平面積層型構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度には、新規インドリン系有機色素を用い、酸化チタンメソ多孔体の細孔サイズに着目し、全固体型色素増感太陽電池の高効率化検討を行った。また、色素増感太陽電池の固体化研究の知見を活用し、光捕集材料並びにキャリア輸送材料としての機能を有する有機金属ハロゲン化物(CH_3NH_3PbI_<3-x>Cl_x、以下、ペロブスカイト)を用いたペロブスカイト太陽電池の高効率化研究に取り組んだ。以下に主な研究内容を示す。 [全固体型色素増感太陽電池の高効率化] 色素を吸着させた酸化チタンメソ多孔体への固体電解質(電解質として、spiro-OMeTADを使用)の均一充填や、光捕集効率を高めるための酸化チタン粒子の形状やサイズの最適化、酸化チタンメソ多孔体の作製法の検討を行った。その結果、細孔サイズを300nm程度としたときに、検討した範囲で最も高性能化することができた。一般に大きな細孔サイズや薄層の酸化チタンメソ多孔体を用いると、ホール輸送材料の均一充填には都合が良いが、色素吸着表面積の低減をまねくために、両者の最適化が重要になる。本研究では、300nm程度の細孔サイズで、最もバランスが取れたことが、高効率化に繋がった要因と考えられる。 [ペロブスカイト太陽電池の高効率化] ペロブスカイト太陽電池は、酸化チタンメソ多孔体を用いたセルと、平坦な緻密酸化チタン膜を用いた平面積層型セルの2通りで検討を行った。酸化チタンメソ多孔体にペロブスカイトの前駆体をスピンコートしたところ、酸化チタンメソ多孔体上に均一なペロブスカイト層を形成することが難しかった。一方、平坦で緻密な酸化チタン膜を用いた場合は、成膜条件を検討することで、均一に被覆したペロブスカイト層を酸化チタン上に形成することができた。その結果、酸化チタンメソ多孔体を用いたセルのエネルギー変換効率(7.5%)よりも高効率化(9.4%)することができた。更に、セルの作製条件などを検討することで、H25年度末には15.2%を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究員は、有機系太陽電池の中でも、最もホットな領域の一つであるペロブスカイト太陽電池において、世界トップレベルの研究を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究員の一連の研究により、高効率なペロブスカイト太陽電池を安定的に構築する方向性が示された。今後は更なる高効率化を目指す。一方で、ペロブスカイト太陽電池の光電変換特性の理解を基礎的に深める。
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Research Products
(2 results)