2012 Fiscal Year Annual Research Report
素粒子現象論とBファクトリーにおける標準模型を越える新しい物理
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12F02804
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
細谷 裕 大阪大学, 理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TAYDUGANOV Andrey 大阪大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | B中間子 / タウ粒子 / セミレプトニック崩壊 |
Research Abstract |
B中間子のセミタウオニック崩壊、B->D(^*)tau nu、の分岐比の標準模型とのずれが、Belle実験(KEK、日本)およびBABAR実験(SLAC,米国)で報告されている。現在ほとんどの素粒子実験の結果が標準模型の予言と一致している状況で、この実験事実は標準模型を越える新しい物理への手がかりとして大変重要である。そこで、A. TayduganovはD. Becirevic, S. Fajfer, I. Nisanzicと共同でより一般のB中間子のセミレプトニック崩壊、B->D(^*) 1 nuに対する新しい物理の効果を調べた。まず、これまでに確立している弱い相互作用の理論を鑑みて、レプトンの荷電カレントが左巻きであるという仮定を置いた上で、b->c 1 nuに寄与する高次元演算子の一般的な組から成る有効ラグランジアンを構成した。この有効ラグランジアンに基づき、B->D(^*) 1 nuの崩壊分岐比、崩壊分布について詳細な計算を行った。その際、ハドロンの形状因子としてMelikhovとStechにより提案されている構成クォーク描像に基づくものを採用し、パラメータに幅を持たせることで理論の不定性を評価した。その結果として、上述の実験の分岐比を説明し得る演算子を特定し、それらが崩壊分布に与える影響を明らかにした。この研究の関する論文を現在準備中である。また、A. Tayduganovは田中実、渡邉遼太郎、坂木泰仁と共同でB=>D(^*) tau nuにおける様々な新しい物理のテストについて研究を進めている。現時点までに、可能なレプトクォーク模型すべてについての解析をほぼ終えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおりに解析の枠組みを設定し、理論の不定性を明らかにしつつ、標準模型と実験結果のずれについて模型に依らない結果が得られている。また、特定の模型についても順調に解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
A. Tayduganovは田中実、渡邉遼太郎、坂木泰仁と共同で行っているB->D(^*)tau nuに関する研究をさらに進める。分岐比からの様々な模型に対する制限について明らかにすると同時に、2013年3月に発表されたBABAR実験の最新の結果に注目し、そこで初めて明らかにされた崩壊のq^2分布を用いた解析をおこなう。
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Research Products
(1 results)