2014 Fiscal Year Annual Research Report
素粒子現象論とBファクトリーにおける標準模型を越える新しい物理
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12F02804
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
細谷 裕 大阪大学, 理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TAYDUGANOV Andrey 大阪大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | B中間子 / セミタウオニック崩壊 / 崩壊分布 / SuperKEKB/Belle II |
Outline of Annual Research Achievements |
B中間子のセミタウオニック崩壊の分岐比の実験値は標準模型の予言より大きく, 我々の見積では3.5標準偏差の超過であることが分かっています. 我々は, この標準模型からのずれの原因となり得る新しい物理について研究を行ないました. これまでの我々の有効理論を用いた解析の結果, 新しい物理の候補となるシナリオが複数あることが分かっていて, 本年度はこれらを区別する方法について調べました. 具体的には, レプトン系の不変質量q2の分布への新しい物理の影響について研究を行ないました. まず, 既にBaBar実験によって測定されているq2分布と新しい物理のシナリオでのq2分布を比較した結果, スカラー型およびテンソル型のシナリオの確率はそれぞれ0.1%と1.0%とかなり低いことを示しました. さらに, 理論計算の不定性がより小さい新しいq2分布を反映した観測量R(q2)を導入し, 将来の実験による測定で, 新しい物理のシナリオを互いに区別するために必要な積分ルミノシティーを明らかにしました. 分岐比から定義される理論的不定性の小さい観測量Rを用いた同様の解析と比較した結果, LQ2シナリオを除いて, R(q2)を用いた方がより少ない積分ルミノシティーでシナリオの区別が可能であることが分かりました. これは, 建設中のSuperKEKB/Belle Ⅱ実験での新しい物理への感度がより高いデータ解析の方法を示しています. また, Belle Ⅱでの最終的な新しい物理への感度を明らかにするために, RおよびR(q2)を用いて積分ルミノシティーが40/abで期待される新しい物理のシナリオへの制限を求めました. その結果, 5から10TeVの質量スケールの新しい物理に対して感度があることが分かりました. これはエネルギーフロンティアであるLHCで探索範囲を越え, インテンシティーフロンティアであるBelle IIの重要性を示しています.
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Research Progress Status |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入を省きます。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入を省きます。
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Research Products
(2 results)