2012 Fiscal Year Annual Research Report
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12F02806
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
平田 典子 (河野 典子) 日本大学, 理工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LALITY-KOVACS Tunde 日本大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ディオファントス方程式 / 指数型ディオファントス方程式 / ディオファントス近似 / パデ近似 / 対数一次形式 / 楕円曲線 / 整数点 / 階数 |
Research Abstract |
指数型のディオファントス方程式とは,たとえば2以上の整数aのx乗と,2以上の整数bのy乗の和が,2以上の整数cのz乗に等しいとき,このx,y,zを正整数の範囲での未知数とするような方程式である.累乗の底にあたる部分ではなく,指数の箇所のみを未知数とみなしているものを一般には指すが,指数部分と底の部分の両方を未知数とみなす方程式も,指数型のディオファントス方程式として扱われている.本研究課題では,まず指数型のディオファントス方程式の解を決定するために不可欠なディオファントス近似のうち,特に強力なな道具であるパデ近似と呼ばれるものに関する研究を進めた.パデ近似についての研究討議を研究代表者と研究分担者が実施し,先行結果のパデ近似の1つの精密化を考えた.その手法は多重対数の値の一次形式のパデ近似にも応用できることが判明した.指数型ディオファントス方程式についての成果としては,整数の等差数列の積が整数の累乗に等しくなり得ない,あるいは等しくなったとしても有限回だけであろう,という古典的ディオファントス問題があるが,その一般化にあたる指数型ディオファントス方程式の整数解の決定問題に関する結果を,対数一次形式の精密な近似の適用およびパデ近似と先行研究の方法の組合せにより得て,平成25年1月の研究集会において研究分担者が発表した.また対数一次形式の定量化に関する結果を応用して,楕円曲線の整数点およびその一般化にあたるS整数点の座標の計算を楕円対数を用いて行い,階数が3以上の楕円曲線のS整数点についての計算を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者のLALITY-KOVACS氏は日本学術振興会外国人特別研究員として来日し,思ったよりも早く日本での生活に慣れたが,実際の来日が2012年11月26日であったため,2012年度の当該研究については研究期間が実質3ヶ月間での実施となった.それでも研究分担者のLALITY-KOVACS氏と研究代表者とは,すでに相当の知識の共有がなされていていたという理由により,本研究課題の共同研究はおおむね予定通り進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策:計算を進めるために計算ソフトを購入することと,研究分担者のLALITY-KOVACS氏が平成25年度にThue型のディオファントス近似の習得を行うことによって,今後の研究推進が実施できると考えられる.研究遂行上の問題点は見当たらない.
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