2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02807
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宗政 昭弘 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SZOLLOSI Ferenc 東北大学, 大学院・情報科学研究所, 外国人特別研究員
|
Keywords | アダマール行列 / 球面デザイン / グラム行列 / 組合せデザイン / アソシエーション・スキーム / 複素アダマール行列 / 巡回行列 / 有限体 |
Research Abstract |
アダマール行列およびその一般化である複素アダマール行列は、数学のみならず様々な分野に応用を持つ。今年度は、アソシエーション・スキームを利用した複素アダマール行列の構成問題を研究した。また、アダマール行列と関連が深い、実ユークリッド空間内の等角直線族についても研究を行った。まず、アソシエーション・スキームの理論を利用するため、専門家の助言を得る目的で島根大学を訪問し、情報収集を行った。また、京都大学では、複素アダマール行列を概観する招待講演を行った。さらに、福岡市において、モジュラーアダマール行列に関する成果を発表し、符号理論の研究者と情報交換を行った。一方、クラス3のアソシエーション・スキームから得られる複素アダマール行列を分類するために、数式処理ソフトウェアを駆使してさまざまな場合に実験を行った。特に、擬巡回的と呼ばれるアソシエーション・スキームや、アモルフィックと呼ばれるアソシエーション・スキームに付随する複素アダマール行列の分類を、グレブナー基底を用いて行った。さらに、実ユークリッド空間内の等角直線族について、出版された文献で解決とされていた14次元における存在問題が実は未解決だったことを発見し、著者に報告するとともに正しい答えを計算するプロジェクトを開始した。この問題については、神戸学院大学において招待講演として発表した。神戸学院大学においては他の研究者の講演に出席し適切な助言も与えた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
来日してから、受入研究者の専門としているアソシエーション・スキームの理論を学び、複素アダマール行列の構成に役立てている。擬巡回的なアソシエーション・スキームから複素アダマール行列を発見し、このことについて共著論文を書くことになった。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでよりも広いクラスのアソシエーション・スキームに付随した複素アダマール行列の構成を試みる。特に、サイズが25の複素アダマール行列で分解不可能なものをクラス4のアソシエーション・スキームから構成する。 また、アダマール行列と密接な関係を持つ実ユークリッド空間内の互いに一定の角をなす直線族の研究を開始する。
|
Research Products
(3 results)