2013 Fiscal Year Annual Research Report
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12F02807
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宗政 昭弘 東北大学, 大学院情報科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SZOLIUST Ferenc 東北大学, 大学院情報科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | アダマール行列 / ザイデル行列 / グラム行列 / 複素アダマール行列 / 等角直線族 |
Research Abstract |
アダマール行列およびその一般化である複素アダマール行列は、数学のみならず様々な分野に応用を持つ。今年度は、アダマール行列と密接に関係する、ザイデル行列の研究を行った。特に、固有値を3つしか持たないザイデル行列についての理論を構築し、これまで未解決であったがその実情が知られていなかったランク14の30次ザイデル行列の存在問題について静岡大学、京都大学、東北大学、河北師範大学(中国)において研究発表を行った。この論文の執筆作業を並行して進めて行ったところ、このような行列が存在すれば、固有値が3つしかないことを示すことに成功し、我々の整備した理論を用いて最近ようやく最終的な解決を見ることができ、論文を公表し学術雑誌に投稿した。また、複素数体上の等角直線族について独自の研究成果をアメリカの学会で招待講演を行った。他にも数多く参加した研究集会においては研究発表を注意深く聴き、グレブナー基底を用いて解決が可能と思われる研究課題を複数発掘し、独自の研究を始めている。さらに、セベリによる漸近的なアダマール行列の存在定理、宮本によるアダマール行列の構成法を解説するセミナーを自主的に行い、問題提起とともに今後の研究方針を提案した。これらは、すでに研究を開始している強クロネッカー積によるアダマール行列の構成法とともに、アダマール予想の解決への確かな一歩になるに違いないと信じている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
懸念であった14次元における等角直線族の数の上界を改良することができ、来日以来ずっと取り組んできたサイデル行列に関する研究が実を結んだ。また、関連して複素数体上の等角直線族やMUBについても研究の準備が整っており、まだ今後共同研究が大きく進展する可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
アダマール行列に関連した行列や組み合わせデザインの構成問題に取り組む。長期的には、アダマール行列の構成法のデータベースを作成するため、知られている構成法を概観し、クエリに対して応答可能なウェブサイトの構築を目指す。
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Research Products
(9 results)