2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12F02816
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴橋 博資 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GODART Melanie 東京大学, 大学院理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 大質量星 / 恒星脈動 / 星震学 / 恒星内部 |
Research Abstract |
星震学は、星の振動を解析して、星の内部構造の詳しい情報を得ようというものである。ケプラー衛星等によるスペースからの観測が出来る様になり、長足の進展の途上である。 本研究では、研究分担者がこれまで進めて来た研究を発展させ、ストレンジモードの物理的要因を更に究めるために、金属量の少ないもしくは皆無である大質量星の振動特性とその安定性を研究した。 その結果、一口にストレンジモードと言うが、実は二種類あり、その一つは脈動が断熱的に起きるとしても現れるものであり、もう一つは脈動に非断熱的効果を考慮した場合にのみ現れるものであることが判明した。前者は、大質量星では輻射圧が強いため、表面に近い浅い層で密度反転が起きており、そのために音速も反転し、結果として表面近くに、音波モードのキャビティが新たに出現するために現れるものである。それに対し、後者は大質量星では質量光度比が大きくなり、表面近くでは熱的時間尺度が動的時間尺度に比べて短くなり、熱的モードと振動モードが混ざり合った性質を持つ様になるからであることが判明した。 これとは別に、B型輝線星の活動を説明することを目的とする研究を始めた。輝線は星周円盤の存在を示唆しており、円盤自身が数年から数十年の時間尺度で生成・消滅をしていると理解される。星周円盤の生成は、角運動量を如何に星内部から持ち運ぶかが問題となる。本研究では、鉄族元素の電離に伴って非軸対称gモード脈動が励起され、この脈動と星の自転の相互作用により、角運動量が星から外へと輸送される機構を検討した。自転が速くなると、重力波が定在波になるための星表面での臨界振動数(それ以下では定在波にならずに進行波になる)が高くなり、それまで定在波であった振動モードが進行波となってしまう。そうなると、一気に角運動量放出と質量放出とが進み、星周円盤を形成してBe星になるという作業仮説を子細に検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(5 results)