2012 Fiscal Year Annual Research Report
低電力損失ダイヤモンドデバイスの基幹を成す表面界面制御に関する研究
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12F02818
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
寺地 徳之 独立行政法人物質・材料研究機構, 光・電子材料ユニット, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FRONRI A.J. (独)物質・材料研究機構, 光・電子材料ユニット, 外国人特別研究員
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Keywords | ダイヤモンド / ホウ素ドープ / 低電力損失デバイス / 高温動作 / 表面・界面制御 |
Research Abstract |
昨年度は、新規に設置したマイクロ波プラズマCVD装置を用いてダイヤモンドのホモエピタキシャル成長条件最適化を行った。該特別研究員の研究プロジェクトではホウ素ドープダイヤモンドを用いる必要があり、本新設装置はその結晶合成に用いる予定である。鏡面研磨されたダイヤモンド単結晶を用いて、ノンドープ単結晶合成から研究をスタートさせた。本装置は当グループが独自に開発している非市販の装置であるためか、別途利用している単結晶ダイヤモンド合成装置と最適な合成条件が異なることが分かった。これと並行して、既存のホウ素ドープダイヤモンドを用いて、ショットキーダイオード特性を評価した。目的は、過去評価を実施したことがない高温領域におけるダイオードの熱的耐性を調べることにあった。その結果、400度程度まではデバイスは安定動作することを見出した。 また、高ホウ素ドープダイヤモンドをノンドープダイヤモンドで挟み込んだ構造を作り、ホウ素ドープ/ノンドープ界面のホウ素分布の急峻性について調べた。この構造はダイオードのオーミック電極側に用いることができ、パワーデバイスの特性を大きく左右するため、これを精度良く設計する事は重要である。その結果、10nm以下の急峻性を達成することに成功した。またこの評価を行う上で、SIMS分析データを1nm以下の深さ分解能に改善させる解析法をダイヤモンドに適用することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新設のダイヤモンド合成装置で、高品質結晶を得るための条件が得られたこと、またデバイス評価手法を特別研究員自身が習得したこと、さらにデバイス高性能化において鍵となるノンドープ/ホウ素ドープ界面を急峻にする手法および評価法を確立できたことが、その理由として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、新設合成装置でホウ素ドープ結晶を合成し、デバイス作製から一貫したプロセス構築を行う。併せて、当初から予定している絶縁膜との界面作製および評価を開始できればと考えている。
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Research Products
(1 results)